タクシーのDXを進める電脳交通、三菱商事らと資本業務提携 総額5億円規模
2020/10/8(木)
タクシーのデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する株式会社電脳交通は、三菱商事を含む計6社を引受先とする総額5億円の資金調達を実施した。資本業務提携を締結した各社と、タクシーのDXを推進するさまざまな取り組みを開始する。
提携先は三菱商事のほか、JR東日本スタートアップ、第一交通産業グループ、エムケイ、阿波銀行、いよぎんキャピタルの計6社。今回の資金調達は、全国への事業展開、それにともなう人員採用の強化、新サービスの開発と提供を推進するために実施した。
今後はタクシー業界内の課題や地域ごとに存在する生活面・観光面などの課題を解決するために、QRチケットや決済レスコール機能、フードデリバリーや公共タクシー配車など、タクシーのDXに必要なサービスを提供していく方針だ。
JR東日本スタートアップの代表取締役社長である柴田裕氏は、電脳交通に向けて「地域の皆様の生活の足として、旅・観光の足として、地域交通のアップデートは必須です。一緒に、地域社会に望まれる新しいMaaSをつくっていきましょう」とコメントしている。
電脳交通はこれまでクラウド型配車システムや配車センター代行業を中心としたタクシー事業者向けビジネスを展開。2020年9月時点で全国25都道府県のタクシー事業者にサービスを提供、前年比300%のペースで導入が進んでいる。
ITの知識がなくても使用できる配車サービスを、柔軟で低コストな導入が可能なSaaSとして提供することで、導入企業における経営効率化、配車業務の負担軽減・コストの削減、配車アプリ間のデータ共有・交換を実現している。
また、タクシー事業者の配車業務の代行サービスでは、全国各地に配車センターを開設し、リモート配車業務を行っている。導入した企業は、平均して30~50%のコスト削減につながっているという。
2020年1月までに累計4億円の資金調達を実施し事業拡大を続けており、さらに徳島市、尾道市、山口市など西日本を中心に、その地域における移動の課題解決にむけた取り組みを各自治体と推進している。
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左:事業者向けに提供しているクラウド型配車システム、右:連携する自治体と開発したサービス