日立の対話型AIエンジン、大阪駅うめきたエリアのAI自動応対機能に導入
2023/4/7(金)
株式会社日立製作所(以下、日立)の提供する対話型AIエンジンが、券売機の「AI自動応対機能」向けに、西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)の大阪駅うめきたエリアに導入された。3月31日付のプレスリリースで明かしている。
大阪駅うめきたエリアは、3月18日に新規開業した場所だ。JR西日本は、同エリアをイノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心として、「みどりの券売機プラス+AI」、「AI案内ロボット」などを実装している。「みどりの券売機プラス+AI」には、「AI自動応対機能」が導入されている。JR各社では、近年少子高齢化に伴う労働人口の減少やコロナ禍を背景に非対面によるきっぷ販売を進めている。こうした背景を受けて、鉄道情報システム株式会社(以下、JRシステム)は、「AI自動応対機能」の開発を推進してきた。同機能では、日立の「多言語対話プラットフォーム」が提供する音声認識、対話などのAIエンジンをベースに、JR システムがこれまで培ってきた、きっぷ販売の接客応対に関する知見を生かしたものだ。きっぷ購入の際の窓口係員との会話を券売機で再現しており、バーチャル駅員とのスムーズな会話によるきっぷ購入を実現している。
同機能の特長は、「音声中心の操作」と「高度な音声認識」だ。「音声中心の操作」では、タッチパネルと音声による操作を併用できる。くわえて、会話の内容が券売機上部のモニターに文字で表示されるため、耳やことばが不自由な利用者の利用もサポートする。バーチャル駅員で対応しきれない場合は、それまでの接客内容をコールセンターのオペレータに引き継ぐ仕組みだ。
「高度な音声認識」では、日立の「多言語対話プラットフォーム」内の音声認識を活用し、音声で入力された内容をテキスト化し対話エンジンにつなげる。これにより、事前に登録された想定問答に基づいた回答を提示する。読み方が共通する駅名・地名などに対しても、画面上で複数の候補を提示するという。
さらに、同機能では、音声認識や対話のAIエンジンを鉄道・交通向け用語に対応させて認識精度の向上を図っており、チューニングを行っている。このチューニングは、実際の駅員とのやり取りを想定してシナリオや言葉の言い替えなども考慮したものだ。利用頻度が高まるにつれて蓄積される対話ログにより、AIエンジンの継続的な精度向上も図ることができる。
なお、日立は、対話エンジンの使いやすさの改良や、音声認識エンジンさらなる音声認識精度により、JRシステムが進める多言語対応やサービス拡充など、AI自動応対機能の向上に貢献すると述べている。
(出典:日立 Webサイトより)