現在、電動キックボードは国内で既に走行しているが、その形は以下の3つだ。

1)原付化し、車道を走行
2)原付化せず、車道や歩道などを走行
3)今回の特例制度下において、原付化した電動キックボードの一部要件が緩和された形で、車道と自転車レーンを走行（10月中旬以降）

「1)原付化し、車道を走行」は法令上の問題はないが、マイクロモビリティ推進協議会としては、車道走行のみの危険性の懸念から、原付としての走行を行っていない。「2)原付化せず、車道や歩道などを走行」は、直近で急増している一方、原付化の必要性や法令に関する認知が不十分であることから、不適切な走行が減る見込みがないという。

以上の背景から、マイクロモビリティ推進協議会は、規制官庁や街づくり関係者との対話を重ねた上での規制の適正化の実現を目指している。今回はその対話の結果、実証が認可された。

今回の実証実験では、原付化した電動キックボードをベースに、「走行場所の拡大」による安全性・利便性の検証を行う。

今回の特例措置で、電動キックボードは法令上原動機付自転車に該当するが、今回の実証実験においては特定エリアにおける普通自転車専用通行帯で走行可能となる。なお、一般的な自転車レーンで歩道は不可。また、これらの特例措置は、認定を受けた新事業活動計画のもと実施される実証にのみ適用される。認定を受けていない事業者や個人の電動キックボードの走行に関して、上記の特例措置は適用されない。

実証実験の概要は、以下の通り。
【実施期間】 開始：2020年10月中旬以降
終了：2021年3月末
【実施エリア】 EXx：東京都世田谷区の全域、渋谷区の全域、神奈川県藤沢市の全域、千葉県柏市の一部エリア
mobby ride：福岡県福岡市、広島県尾道市、愛媛県今治市、兵庫県神戸市（いずれも一部エリア）
Luup：東京都千代田区の一部エリア、新宿区の一部エリア、世田谷区の全域、渋谷区の全域
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今後、マイクロモビリティ推進協議会は、2021年前半目処に検討がなされる「国家戦略特別区域法に基づく運転者の要件等の特例措置」を講じた実証実験に向けて、今回の「新事業特例制度」を用いた実証を通して、電動キックボードの適切な走行条件の検証する。また、電動キックボードのみならず、電動マイクロモビリティの普及に向けたステップとして実証を進める方針だ。