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名鉄ら、AIとETC2.0で踏切事故の防止実証 一般車両に直接注意喚起は全国初

2025/12/9(火)

名古屋鉄道(以下、名鉄)など5社は、AI画像解析とETC2.0を活用した踏切安全システムの実証実験を、12月22日より開始すると発表した。実証は、踏切前方の道路混雑をAIが検知し、一般の乗用車に設置されているETC2.0対応の車載器を通じてドライバーへ音声で注意を促すものだ。AIによる混雑検知とETC2.0を連携させ、一般車両に対して直接注意喚起を行う取り組みは全国で初めて。

踏切は鉄道と道路が交差する「弱点箇所」として扱われ、自動車や人の無理な進入による接触事故が年間200件、死傷者数100人程度発生している。名鉄によると、これら事故は列車の運休や遅延を招き、社会的影響も大きい。名鉄、名鉄EIエンジニア、トヨタシステムズ、一般財団法人 道路新産業開発機構、東邦電機工業の5社は、デジタル技術を活用した踏切事故の防止システム構築を進めてきた。

2022年にはITSスマートポール・AI・ETC 2.0と、試験車両を用いた実証を行った。今回は対象を一般の自動車へと拡大して、より実践的な検証を行う。システムの中核となるのは、名鉄が導入を進める踏切監視カメラとAI画像解析技術、そしてETC2.0の通信機能だ。

踏切監視カメラの映像をAIが解析し、踏切前方の道路で渋滞や信号待ちによる「先詰まり」が発生しているかをリアルタイムで判断する。

混雑を検知した場合、踏切手前に設置された路側機から信号を発信し、ETC2.0車載器を搭載した自動車が接近すると、車載器から「踏切の先詰まりに注意してください」といった音声による注意喚起がドライバーに対して行われる。ドライバーの不注意による踏切内への進入を防止し、閉じ込めトラブルや接触事故を未然に防ぐ。

実験場所は、愛知県半田市の名鉄線・住吉町駅南端に位置する「住吉町1号踏切」。2025年12月22日から2026年2月28日を予定している。

各社の役割は、名鉄が実験場所の提供と有効性検証を担い、トヨタシステムズがAI解析開発、道路新産業開発機構がETC2.0路側機の開発、東宝電機工業が踏切の状態を監視する装置との連携システム開発を担当する。

ETC 2.0は、道路の通行料金収受に加えて渋滞の回避や防災情報を提供したり、自動車が特定されない形で走行データ収集機能をもつもの(プレスリリースより)。

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