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自動運転とインフラのあり方とは? ~国交省ITS推進室が進める自動運転~ [前編]

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2020/4/7(火)

官民ITS構想・ロードマップ2019「究極の自動運転社会の実現へのシナリオ」

官民ITS構想・ロードマップ2019「究極の自動運転社会の実現へのシナリオ」

少子高齢化や過疎化などを背景に、中山間地域などの過疎地においては公共交通が衰退。いわゆる移動難民の増加が進み、さらには物流業界ではドライバー不足なども起こっている。これらの課題を解決する手段として大きな期待が掛かっているのが、自動運転を活用した移動・物流サービスだ。国土交通省でも政府が定めた「自動運転社会の実現」目標を踏まえ、サービス実用化に向けたさまざまな取り組みを進めている。

また、自動運転技術が進展を重ねる一方で、課題となってきたのが道路をはじめとしたインフラのあり方だ。後述する隊列走行や中山間地域の移動サービスなどでも、運転を支援する機器設備や専用空間の整備の必要性が高まっている。こうした現状について、国土交通省道路局 道路交通管理課で、高度道路交通システム(ITS)推進室長を務める安部勝也氏(以下、安部氏)に話を伺った。また、いち早く自動運転サービス実装に踏み切った秋田県北秋田郡上小阿仁村の事例を取材した。これらをもとに、今後の自動運転とインフラのあり方について考えていきたい。
国土交通省道路局 道路交通管理課で、高度道路交通システム(ITS)推進室長を務める安部勝也氏

安部 勝也 氏


政府による「官民ITS構想・ロードマップ」は、2014年の策定以来、ITS(高度道路交通システム)・自動運転を巡る最近の情勢変化等を踏まえて毎年改定が行われている。直近の「官民ITS構想・ロードマップ2019」では、2020年の自動運転実用化に向けた取り組み、社会実装に向けた持続可能なビジネスモデルの検討などが盛り込まれている。 多くの社会課題を解決して、豊かな暮らしをもたらすものとして、自動運転に大きな期待が寄せられている。

安部氏によると、同構想で掲げる「究極の自動運転社会の実現」には二通りの流れがあるという。一つは自家用車(オーナー・カー)向けの自動運転、そしてもう一つは物流・移動サービス向けの自動運転だ。(上図参照) これらの流れが別々のプロセスで進むシナリオが想定されている。

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