大林組、グリーン水素の鉄道輸送がトラック輸送に比べ82%のCO2削減

2024/1/16(火)

鉄道コンテナに搭載されたカードル

株式会社大林組（以下、大林組）は1月15日、グリーン水素の輸送手段として鉄道を利用し、従来のトラックによる輸送に比べ、輸送時のCO₂排出量82％削減を発表。鉄道による水素輸送は、国内初の取り組みとなるという※。

高圧ガス保安法等関係法令の制限・基準の範囲内での輸送 2023年12月時点、日本貨物鉄道株式会社（以下、JR貨物）調べ（プレスリリースより）

大林組は現在、岩谷産業株式会社発注の「岩谷産業研修施設新築工事」の建設現場において、CO₂排出量削減に資する各施策の実証に取り組んでいる。さらに、施策の一つとして、仮設現場事務所に設置した水素燃料電池による電力供給を実施しており、大分県玖珠郡九重町で製造しているグリーン水素を月1回程度、トラックにより輸送していた。しかし、再生可能エネルギーにより製造されるグリーン水素は、製造時にCO₂を排出しないという利点がある一方、長距離輸送時のCO₂排出量を削減する輸送手段を検討する必要があった。

今回の取り組みでは、JR貨物、全国通運株式会社、および江藤産業株式会社の協力で、輸送経路の大半をトラックから鉄道に切り替えるモーダルシフトを実施。これにより、1回の輸送（大分県玖珠郡九重町～兵庫県神戸市の現場の片道）にかかるCO₂排出量を0.347tから0.062tに8割以上の削減を達成している。