瀬戸内海上交通をオンデマンドへ 港湾管理電子化実証実験を開始
2021/3/15(月)
瀬戸内洋上都市ビジョン協議会は11日、瀬⼾内エリアにおいて1日より20日まで、協議会参画団体であるscheme verge、電通、四国地方整備局、ならびに港湾管理者等が共同で港湾管理の電子化実証実験を行うことを発表した。
瀬戸内では3年に1度瀬戸内国際芸術祭というイベントを開催しており、次回の国際芸術祭は2022年を予定している。前回開催した2019年の瀬戸内国際芸術祭の総来場者数は過去最高の100万人超を記録した一方で、フェリー・定期船だけでは旅行者需要に対応しきれないことが課題だった。また、国際芸術祭の会場となる離島間を海上タクシーを利用しての効率的な移動ニーズも高まっている。だが、海上タクシーは各港に係留する際には、主に紙での事前申請、承認が必要となり、タクシー利用に伴うオンデマンド化の障壁となっている。
今回の実証実験では、瀬戸内国際芸術祭2022に向けた海上交通サービスの利便性向上、管理業務の円滑化・省人化を目的に、港湾施設の利用手続きを電子化し、シームレスなサービス提供の実現に向けた問題点等を検証する。現在紙や電話での申請となっている係留申請について電子化を図り、港湾管理のより効率化を目指し、海上タクシー手配のオンデマンド化に資する港湾行政事務のデジタル化(DX)を瀬戸内から目指すという。
具体的な取り組みとしては、各港での係留申請のためにscheme verge提供の観光型MaaSアプリ「horai」からの予約を、水都創造パートナーズ提供の港湾管理システム「Triangle Connect」を使用する。港湾管理者は、電子システム上で海上タクシー事業者の申請を承認することによる効率化を検証する予定だ。