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「setowa」と多面的なインフラ整備で瀬戸内ならではの旅を創出

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2020/2/14(金)

瀬戸内海の風景写真

写真:美しい多島海・瀬戸内。島々を航路がつなぐ。

世界有数の多島海、瀬戸内海。瀬戸内エリアの一大観光地といえば、広島市・宮島が思い浮かぶが、島々や海沿いの小さな町にも個性豊かな文化、産業や自然が存在する。瀬戸内海は古来、現在の大阪と九州、さらには朝鮮半島と中国を結ぶ交通の大動脈として使われていた。島々や港町には豊かな文化が蓄積しており、未だ発掘すべき多くの魅力がある。

JR西日本は、瀬戸内エリア西側が一大周遊エリアとなることを目指し、2018年5月に「せとうちパレットプロジェクト」を開始した。周遊ルートと地域の産業や文化を活かした魅力創出により、地域の活性化を目指すプロジェクトだ。観光地をひと通り巡って終わるのではなく、ゆったりと滞在して何度でも訪れたくなる地域、来るたびに新しい発見がある重層的な魅力を備える地域を目指す。

2019年10月には、観光型MaaSアプリ「setowa」をリリースし、2020年3月末まで、実証実験を進める。さまざまな交通手段を使ったルートがアプリ上で検索、予約、決済ができるだけでなく、観光地の情報と合わせて、旅の計画を可能にするアプリだ。せとうちパレットプロジェクトのさまざまな取り組みと共に、「setowa」によってどのような観光が可能になるか。現地で「setowa」を実際に使いながら観光を行い、JR西日本MaaS推進部担当部長の竹澤氏に話を伺った。

自分だけの旅行が計画できるアプリ「setowa」

一般的にMaaSアプリは、さまざまな交通手段の経路検索・決済機能をベースとして、飲食店や観光地などの情報が補足されているものが多い。しかし「setowa」は経路検索MaaSアプリというより、旅のサポートに特化したサービスアプリだ。竹澤氏は、「旅行は、当日から始める訳ではありません。行きたいところのイメージがあり、旅行を始めると思います。そこで、旅の前からサポートするアプリを目指しました」と話す。

大きな特徴は、スケジューラー機能という旅の行程作成を中心としていること。アプリを開くと、まず旅程づくりが始まる。行きと帰りの日程を記入し、宿泊するホテルを選択、さらに立ち寄りたい場所、立ち寄る時間帯や所要時間を入力すると、自動的に旅のスケジュールが作成される。移動手段はさまざまな選択肢があり、新幹線をはじめとする鉄道に加え、船舶、バス、タクシー、レンタカー、レンタサイクル、カーシェアリングと、地域に存在する交通手段を網羅している。目的地や交通手段などの内容はいつでも変更可能で、変更するごとに目的地の時間配分や経路など、スケジュールが自動的に更新される。
setowa のアプ リ画面。左から行きと 帰りの入力画面、真ん 中が交通手段の変更画 面、右がデジタルチケッ トの購入画面

setowa のアプリ画面
(左)行きと帰りの入力画面、(中)交通手段の変更画面、(右)デジタルチケットの購入画面


旅行代理店のサービスが、アプリ一つで

一部のサービスについては、連携している外部サイトへの移行により、決済まで完了することが可能だ。例えば鉄道についてはJR西日本のネット予約サービス「e5489」で列車予約・決済ができる。タクシーについては、JapanTaxiもしくは電脳交通のアプリに移行し予約が可能だ。また一部の鉄道やバス、船舶、ロープウェイ、観光施設については、「setowaデジタルフリーパス」をアプリ内で購入できる。1日分の利用券は1枚3,000円。例えば尾道や三原などから船舶で周辺の島へ移動すると、往復だけで2,000円~3,000円程度かかってしまうため、島々を巡りながら、観光地を訪れる場合はかなりお得な金額設定だ。他にも、「せとうち島旅クルーズ」や「たけはら町並み周遊券」など、ちょっとした旅のパッケージツアーの購入もできる。夕食で利用する飲食店や、新幹線で食べる駅弁など、一部の飲食の予約も行なっている。

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