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スマートスピーカーでクルマの無機質空間を変える・オンキヨー

2017/12/11(月)


〈音楽を聴くことに重点〉

オンキヨーから発売されているスマートスピーカーはいずれも音楽を聴いてもらうことを主眼としている。「オンキヨーの小型スピーカー技術の粋を結集して、徹底した高音質設計を行っていますので、音の良さが違います」と佐野氏が語るように、小型化が求められる市場ニーズに沿うように開発された高音質技術を採用しているため、小型スピーカーであっても大型スピーカーのような高音質な音を楽しめるという。

左から「VC-FLX」Amazon Alexa対応、中央「P3」Amazon Alexa対応、右「G3」Google Assistant対応



スマートスピーカーの発売と並行して、8月にはSDLコンソーシアムに加盟している。また、10月に行われた東京モーターショーでは東芝デジタルソリューションズ株式会社のAIであるRECAIUS(リカイアス)の音声合成技術とオンキヨーの音声の入出力技術を組み合わせて開発された音声アプリ「Onkyoボイスチェンジアプリ」を参考出品した。

アナウンサー、執事、ツンデレ、萌えと4種類の声タイプからユーザーが好みの声を選択し、AIでコミュニケーションできるというアプリだ。現在、オンキヨーは音の技術を生かしながらアイズフリー、ハンズフリーの車載スマートスピーカーを開発中だという。モビリティ業界への露出が増えてきているオンキヨーの開発本部 本部長 德田充彦氏と開発技術部 部長 河村文昭氏に話を伺った。

〈音楽をいい音で聴いて欲しい〉

――音響メーカーである御社がスマートスピーカーを開発されることになったきっかけは?

河村氏:昨年、米国ではAmazon Echoが大ヒットしました。音楽を聴くことに最も使われており、日常の何気ない時にスマートスピーカーで音楽を楽しんでいるようです。他社のスマートスピーカーから流れる音楽を聴いて「もっといい音にできるのでは?」と思ったのが開発のきっかけです。オーディオメーカーとしては音楽をいい音で聴いてもらいたい。会話もでき、なおかつ音質がいいものを作るために、スマートスピーカーを開発しました。

〈クルマに音の技術を生かす〉

――SDLコンソーシアムに参画された理由は?

河村氏:当初はホーム用途でしたが、昨年、オンキヨーブランドのスマートフォンを開発し、外でもいい音で聴くことができる製品ができました。この技術をスマートスピーカーと融合させて、外でも音声認識ができて、家以外でも使えるものということで、車載で活用できるスマートスピーカーが発案されました。

例えば、クルマのカップフォルダにスマートスピーカーを置き、話しかけることで目的地をセットできれば、画面を見なくても操作ができるので安全です。また、クルマで話した内容がクラウドを経由してコマンドに返ってきて、会話ができれば楽しいと思います。SDLコンソーシアムには、スマートスピーカーのクルマでの車内での新たな活用機会を増やせると考え、参画しています。

徳田氏:音を出す、音を認識する技術は我々の得意分野なので、SDLコンソーシアムに参画することで協力できることがあるのではと思っています。

――現段階での開発課題はありますか?

河村氏:クルマの風切り音やエンジン音、ロードノイズ、窓ガラスからの音の反射に対して、いかに音声認識率を高くできるかがポイントになっています。かなり精度は上がってきています。車内での音声認識率の向上が車載用スマートスピーカーのノウハウ、一つの技術かなと考えています。

――車載スマートスピーカーはクルマ以外での使用は想定されていますか?

徳田氏:車載用と限定しているわけではなく、ホームで使う、モバイル機器として使うことも想定されています。例えば、クルマでキャンプ場へ行って、車載スマートスピーカーをそのままキャンプ場へ持ち出し、音楽を聴いて楽しむといったことも想定しています。外に持ち出してもしばらく使えるようにバッテリーを搭載することを考えています。

開発本部 本部長 德田 充彦 氏



 

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