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スマートスピーカーでクルマの無機質空間を変える・オンキヨー

2017/12/11(月)


〈自動運転時代におけるスマートスピーカーの役割〉

―今後、自動運転車で使用することも想定されていると思います。スマートスピーカーはどのような役割をするでしょうか?
徳田氏:自動運転時代においては、音声認識がシステム間でのインターフェイスになると思っています。自然な会話の中で操作が行われ、クルマが第2の自分になるようなイメージです。

東京モーターショーでも、音声でコマンドを出しているメーカーが多く、操作なしでコミュニケーションするのが主流となるのではと考えています。今後はタッチパネルでの操作が音のインターフェイスへと代わっていくのではないでしょうか。

河村氏:自動運転が実現するまでの道のりは長いと思うので、できるだけ先にクルマの中でのエンターテイメントを体感していただきたいと思っています。我々のスマートスピーカーをクルマに持ち込むと、「こんな世界になるんだ」ということがわかっていただけると思います。

――AIを自社で開発される予定はありますか?
河村氏:現在のところAI自体を開発する予定はありません。当社では、米国SoundHound社と提携し協業を進めています。
AIのエンジンを開発しているAmazon Alexa、Google Assistantとは違って、SoundHound社のAIは他のメーカーとカスタマイズしやすいので、SoundHound社のような独自のAIエンジンを使うことで、新しい提案をしていくことができると思っています。

 

〈音で変わる無機質な車内〉

――東京モーターショーに参考出品した「Onkyoボイスチェンジアプリ」の反響はどうでしたか?
徳田氏:既存のナビを使うと、味気ない音声案内で行き先案内をしてくれます。東京モーターショーで披露した「Onkyoボイスチェンジアプリ」では4つの声を用意しました。執事風の案内をしてくれるとご主人様の気分になれるし、萌え声は穏やかな気分になれるのかなと思います。
反響もありました。萌え声風のおはようコールのアプリが人気だということもあり、萌え声を採用しているのですが、男性だけではなく、女性受けもよかったのが予想外でした。

我々は、音楽を試聴するときはボーカルを中心に聞いていて、微妙な音色の差も含めて議論をするので音には敏感です。声も含めて音に関わるものにうるさい人間が多く、エンジニアが「これはツンデレな声だ」「ツンデレな声じゃない」という議論をしていました。私たちは独特の音の感覚があるため、このような発想に結びついています。「Onkyoボイスチェンジアプリ」は音響メーカーだからこそ実現できたと思っています。

河村氏:オンキヨーでは音楽配信をしていて、ハイレゾ音源の楽曲をダウンロード販売しています。ハイレゾのアニメの楽曲はすごく売れていて、コアなファンが多いです。「萌え声を使うとおもしろいのでは?」ということから提案が始まりました。音にデータ・知見があるのが我々の強みです。技術的には、東芝さんのリカイアスの音声合成の仕組みとご協力いただいて提案に結びついています。商品化については検討中です。

ツンデレを選択すると「目的地を設定しないの?はいはい。案内すればいいんでしょ。
運転には気をつけなさいよ」とツンデレ対応でユニークに案内してくれる。


 
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