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大阪府・大阪市、第3回大阪スマートシティ戦略会議 吉村知事「オンデマンド交通の実現、全面的にバックアップ」

2019/11/1(金)

スマートモビリティについて意見を述べる吉村洋文大阪府知事

大阪府、大阪市は10月31日に大阪府庁で第3回大阪スマートシティ戦略会議を開催。第3回は大阪のスマートモビリティと「スーパーシティ構想」アイディア公募への提案について議論した。
大阪スマートシティ戦略会議は府、市および学識経験者や経済団体などが、市町村サービスのICT化による住民サービスの向上や、MaaSや自動運転などのスマートモビリティや防災対策などの都市戦略ビジョンについて意見交換を行い、先端技術の実装・実験に向けた機運を高めるのが狙い。

大阪府は着手すべき戦略領域について、交通弱者と労働者、訪日外国人を挙げた。豊能町や能勢町、千早赤阪村などの過疎・中山間地や91地区あるニュータウンでは、高齢化による運転免許証の返納や公共交通機関の縮小や撤退、運転者不足などが課題となり、多くの交通弱者を抱える。夢洲やうめきたなどの開発地、万博公園や大阪城公園など府市の公有地では、効率化や人手不足の観点から、無人配送車や自動運転トラクター、宅配ロボットなど、労働者の労働力に代わる産業用モビリティが求められている。また、大阪城、USJなどの観光地を訪れる外国人に対しては、目的地への円滑な移動や乗継情報の提供、鉄道から目的地までの二次交通不足の解消が必要だ。

大阪府は、これらの移動課題の解決に向け、課題がある地域と課題解決ができるテクノロジーを持つ企業のマッチングを行い、さらに、技術開発の後押しができるような実験フィールドを提供していくという。実証実験のフィールド候補地としては、公園や河川区域、大学、空港、駐車場などを挙げている。

特別顧問の上山信一慶應義塾大学総合政策学部教授は、「事業主体が実験の鍵。バス、タクシー事業者だけではなく、自治体や企業や病院など、それ以外の事業主体も観測していくべき」と発言。産業現場におけるモビリティについて、「生産形態が革命的に変わる可能性がある。大阪にはダイがつくユニークな会社がたくさんあり、ポテンシャルが高い。大阪の土地を解放して、実験するというアプローチは大阪の戦略にもマッチしている」と述べた。

吉村洋文大阪府知事は、オンデマンド交通について、「高齢者の移動手段として可能性が高く、ニーズも高い。市町村とスマートシティ連絡会議を立ち上げている。モビリティのワーキンググループを設置し、意欲のある市町村については大阪府としても全面的にバックアップしていきたい」と述べ、非公道での自動運転車の実証実験については、「2025年には万博も開催されるので、必要な場所があればどんどん開放していきたい」と意欲を見せた。松井一郎大阪市長は「自治体が自分たちの問題として捉えることが必要。自動運転化することで、新しい事業主体を想定する作業が必要になる」と話し、ラストワンマイルを補完する事業者については、従来の公共交通事業者とは限らないという見解を示した。

スマートモビリティの最新事例として、WILLERの村瀬茂高代表取締役、ストリートファニチャを展開するエムシードゥコー株式会社の猪爪勇斗事業開発部長、永藤英機堺市長、大阪メトロの河合英明代表取締役社長が、それぞれ取り組みを紹介した。

WILLERの村瀬茂高代表取締役



WILLERの村瀬氏は「WILLERSアプリ」やシンガポールでの自動運転バス、ひがし北海道での観光地型MaaSや2020年の1月から実証実験が開始するQRコードで複数のモビリティに乗車・移動ができる京都丹後鉄道のMaaSを紹介した。エムシードゥコーの猪爪氏は大阪市のスマートシティ戦略に向けて、広告収入で自治体の負担がゼロで利用できる広告付き公共サインとしてのスマートパネルを提案した。永藤堺市長はラストワンマイルの課題解決策として、泉北ニュータウンの槇塚台府営住宅における自動運転車での実証実験を紹介。11月1日からICT戦略チームを立ち上げ、ニュータウン×ICTの都市モデルをつくりながら堺市民のQOL向上を目指すと話した。大阪メトロの河合氏は大阪万博での交通や会場内での顔パス連携、観光型MaaSへの協力について府・市へ要望した。

「スーパーシティ構想」アイディア公募への提案については、「うめきた2期地区」はみどりとイノベーションの融合拠点の形成、「夢洲地区」はスマートリゾートシティ~国際的なエンターテイメント拠点の形成~をテーマとし、自治体のアイディアを公募する応募案が示された。

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