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東京大学千葉研究室インタビュー:モビリティによって可能になる、都市の新しい使い方とは?

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2019/11/1(金)

東京湾岸部の未来像

かつて20世紀に自動車が台頭したとき、建築家はその可能性を感じ、自動車を交通の主体とした都市ビジョンを発表した。例えば、日本で帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトもそのひとり。1930年代に、自動車交通を前提とした、低密度の理想都市「ブロード・エーカー・シティ」を構想した。都市の成長が著しく進んでいたこの時代では、白地の上に、誰も見たことがないような新しい都市を描くことが可能だった。

21世紀の日本は、既に交通インフラが整備され、都市化が進みきっている。さらに人口減少が進み、公共交通の衰退など、インフラが縮小している段階でもある。この状況で、自動運転車やスローモビリティがいずれ台頭するとき、現代の建築家はどのような可能性を見出し、都市ビジョンを打ち出すことができるだろうか。

建築家の千葉学氏が率いる東京大学千葉研究室では、自転車、自動運転車、スローモビリティなどを既存の都市に導入する方法と、それによる都市の新しい使い方を提案する。日本各地を舞台とするが、一貫するのは、地域の個性を読み解き、既にあるインフラを尊重しながら、新しいモビリティを組み込むことだ。それによって人の流れを変え、新しい価値をつくりだす。

東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 千葉 学 教授(右)と田中 義之 助教(左)


まずは都市を読み解くこと

都市に新しいモビリティを導入するには、現在の道路や鉄道は刷新すべきだと考えるかもしれない。もしくは、今の都市とはかけ離れた、SF的な都市像を描くこともあるかもしれない。しかし、インフラを全て作り直すこと、ましてや新しい都市をつくることは途方も無く時間がかかり、現実的でないことは明らかだ。そこで千葉研究室では、今、目の前の都市を評価すること、その上で新しいモビリティを導入する方法を提案する。

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