【トヨタ× LIXIL】移動式バリアフリートイレを共同開発
2020/11/30(月)
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と株式会社LIXIL(以下、LIXIL)は、車いす使用者が外出先で安心して使える移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」を共同開発。11月13日両社共同で報道発表を行った。
近年、公共施設では車いす使用者を含めたさまざまな身体状況を抱える者が利用できる多機能トイレの整備が進んでいるが、未だ十分とは言えない。この問題に対し、トヨタとLIXILが両者の強みを生かして開発したのが、移動型バリアフリートイレ「モバイルトイレ」だ。快適・衛生的な多機能トイレを車両に搭載し、けん引により自由に移動して設置することで、各種イベント参加やスポーツ観戦など、車いす使用者の外出の可能性を拡大したい考え。
車両の前後方には遠くから認識できるよう大きな多機能トイレマークを配置し、超低床車体の設計で、出入口への動線はなだらかなスロープを設けている。車内は、車いすが回転しやすい空間を確保し、手すりの備わった大便器など車いす使用者にとって必要な機能を兼ね備える。また、多目的に使えるユニバーサルシート(大型ベッド)や車いす使用者がより快適にトイレを利用するために、自分で衣服を整えたり介助者が待機できる前室が用意されている。
両社は開発にあたり、パラアスリートや福祉工学の専門家、被災経験のある自治体関係者、さまざまな理由による車いす使用者にヒアリングを実施し、「介助者の手を借りずに一人で乗り込みたい」「上半身が元気そうでも、オムツ替えが必要な場合がある」「気分が悪い時に、横になれると有難い」などの声を把握した。
今後は、モバイルトイレをさまざまなイベントの場などに出展し、車いす使用者や介助者による声を参考に、車体の改善に活かしていく。障がいの有無にかかわらず、誰もが行きたい場所に行き、やりたいことに挑戦できる社会の実現に貢献する狙いだ。