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“コネクテッド戦争”、第三極の登場 Xevo

2017/11/17(金)


統一されたUI

SDLは仕様決定の面でも、従来のスマホOSによるプラットフォームとは決定的に異なります。まず、先述の通り、デザインやテイストなどは、OEM側がテンプレートとして決定します。そのため、トヨタのテイスト、フォードのテイストというように、各OEM・車載機メーカーが自社のUIとしての統一感を崩すことなく、オープンソースプラットフォームとしてのコンテンツの充実などの利点との両立を図ることができます。

 

図2、3:SDL対応のオーディオアプリ。
ラジオが聴けるもの(左上)と音楽が聴けるもの(右下)



従来のスマホOSによるプラットフォームでは、OEMが用意したものとどうしても統一感が出せないといった課題がありましたが、SDLではそうした課題が解消されます。UIのデザインやテイストが統一されていた方が使いやすいですから、ユーザー側の利便性の向上にも繋がるでしょう。

 

ホワイトリスト

加えて、車載機で利用できるアプリをOEMが決めることができるというのも重要な特徴です。これはホワイトリストという仕組みで、SDL対応のアプリの中からOEM側でそれを車載機で利用可能にするもののみをピックアップしてリスト化するというものです。セキュリティ上の安全性を脅かすアプリを排除できることはもちろん、例えば運転中のゲーム起動の危険性から、そうしたアプリを排除するといったこともできます。

また、たとえばApple CarPlayのようなスマホOS由来の車載機ではOEM側が自分たちで作ったアプリを入れるにしても、アップルの許可が必要でしたから、そういった面ではかなりOEM側の自由度が高まったと言えるでしょう。

 

海外展開での有用性

また、海外展開の面でも様々な利点があります。一例を挙げると、中国ではグーグルが使えませんから、それ抜きでのソリューションが求められています。SDLはその課題への有効な解答となりうるでしょう。

そして何より、普及台数の少ない国においてコネクテッド分野のサービスを提供する際に、非常に効果的です。たとえば、日本のOEMはアメリカではかなりの台数を販売していますから、独自の車載機を搭載しても、しっかりとコンテンツを整えることができます。

しかし、日本車の普及台数が少ない国ではどうでしょうか。現地に適したコンテンツを整えようにも、普及台数が少ないために費用対効果の面からコンテンツ整備への投資がどうしても制限されてしまいます。しかし、SDLならばそれに対応したアプリをホワイトリストに載せさえすれば、どんどんコンテンツを増やすことができます。

なので、現地のSDL対応アプリをホワイトリストに載せることで、普及台数の少ない国でも現地ニーズに応じたコネクテッドサービスを提供でき、競争力を落とすことなく事業を展開することができるようになります。

 

SDLに対応するには?

アプリメーカーがSDLに対応する場合、オープンソースという性質上、開発するだけならば、ライブラリをダウンロードするだけで事足ります。しかし、先述の通り、OEM側でホワイトリストを作っているため、その判別のためにアプリケーションIDの発行が必要になります。

 

図4:SDL対応の、キャンバスマップルのナビ



なので、商用化する際には必然的にアプリケーションIDが不可欠となります。逆に、試作用のアプリを作り、ローカルでの動作を確認するだけならば、ライセンスの許可をとる必要はありません。

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