“コネクテッド戦争”、第三極の登場 Xevo
2017/11/17(金)
UIからXへ
UIEvolutionは2016年12月にXevoへと社名変更を致しました。これは事業分野がUIを超えて多分野に拡大したことが理由です。その範囲は、ディープラーニング、コンピュータビジョン、機械学習、ビッグデータアナリティクス、クラウドサービスなど多岐に渡ります。インフォテイメント系はSDLを中心に展開していくほか、今後はこうした様々なテクノロジーを駆使し、UI駆動からAI駆動へとシフトしていく予定です。
たとえば、機械学習のテクノロジーを駆使し、故障したクルマの位置を判別し、近くを通ると思われるクルマにいっせいに迂回させたり、注意喚起させたりするといったサービスが考えられます。こうした問題は、ユーザー投稿型の交通情報では「それが解消された」という情報が手に入りません。CANのデータなども活用すれば、そういった情報も取得することができます。
また、車外カメラを使ってナンバープレートを検知し、特定のクルマがある緯度・経度にいるかを追跡するといったサービスも考えられます。今まではクラウドにすべて上げた上で解析するというものでしたが、動画をすべてアップロードするというのはあまり現実的ではありませんでした。
しかし、クルマ内で分析し、特徴のあるデータだけ抽出してクラウドにあげるようにすれば、この問題は解決されるでしょう。同様に、カメラの情報をもとに駐車場が空いているか相手いないかを判別し、満空情報を提供するということも限りなくリアルタイムで可能になるでしょう。
他にも、目の動き、頭の角度などから、車内でスマホを使用しているといった危険を察知したり、いつもの運転を覚えさせることで、その差異があった場合に即座に分析することで危険を察知するといったことも可能になります。
SDLは従来の車載機(ナビ)のあり方に一石を投じるものとなりそうです。テンプレート化による開発コストの低減、アプリの選別や統一感といった面でOEM主導型でありながら、オープンソースならではのコンテンツ拡充を両立できるといった特徴はOEM側にとっても非常に魅力的なものに映るはずです。実際、トヨタのSDL導入を契機に、マツダやスズキでも導入が決まっています。
また、アプリメーカーとしても、それまで各社の車載機ごとに対応していたものを、SDLに対応してしまえば一気に横展開できるというのは開発コスト削減とビジネスチャンスの拡大の面でのメリットが考えられます。
穂坂氏によると、特にナビメーカーがSDLに好意的なようです。OEMに入れる良いチャンスでもあり、非常に積極的だと言います。ことYahoo!カーナビについては、SDLが注目されているらしいと察知するや否や、即座にXevoにコンタクトを取り、わずか一週間足らずでSDL対応のデモを用意してCESに出展するなど、SDLへの非常に前向きな対応が伺えます。
また、キャンバスマップルでは一年ほど前からSDLへの対応に向け開発を進め、発表と同時にSDL対応したまっぷるナビのデモを公開しました。その他にも、ヤフーをはじめ、ソフトバンクグループは先進モビリティと共に自動運転事業に乗り出すなど、自動車業界に対し積極的な働きかけをしています。
コネクテッドや自動運転など、激動の時代を迎えている自動車業界。SDLはその台風の目になりうるのか。今後も目が離せません。
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