ヤマトら、業務量予測・適正配車システム導入 ビッグデータとAIを活用
2021/8/4(水)
ヤマトホールディングス株式会社は8月3日、配送業務量予測システムと適正配車システムを開発・導入すると発表した。このシステムには、ビッグデータとAIを活用している。
高齢者人口の増加と生産年齢人口の減少に伴う社会保障費の増加とその財源確保は、社会的課題の1つだ。物流分野では、長距離ドライバーの不足に象徴される労働力不足が深刻化している。医療分野では、医療機関の対面業務における新型コロナウイルスの感染リスクの低減や医療従事者の業務の軽減が課題となっている。さらに気候変動リスクへの対応として、医薬品の配送車両におけるCO2削減への取り組みも重要だ。安心・安全で確実な医薬品流通ネットワークを今後も持続可能な状態にするための課題が数多く存在している。アルフレッサ株式会社(以下、アルフレッサ)とヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸 当時、ヤマトロジスティクス株式会社)は、2020年7月21日に業務提携した。業務提携の目的は、これらの課題解決に向けた「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築だ。今回のスキームは、共同配送スキーム第一弾として開発・導入する。
アルフレッサは、これまでに蓄積した「販売」「物流」などのビッグデータをAIで分析し、ユーザー毎の配送業務量を予測し、配車計画を自動的に作成する。配車計画には、ヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用する予定だ。また、デジタル機能の活用による事前検品を増やし、医療機関における対面作業の時間を短縮する。両社の予想では、配送生産性を最大20%向上、走行距離およびCO2排出量を最大25%削減する。医療機関における対面作業時間は、最大20%削減できると予測している。
なお、同スキームは、2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店へ順次、拡大していく予定だ。両社は、同スキームのブラッシュアップを行い、業務提携の第二弾、第三弾を両社で推進すると述べている。