見た目や広さはもう要らない?マッチングアプリから見えたZ世代のクルマの使い方 – 前編 –【寄稿:Z世代モビリティ研究所】
2023/12/7(木)
LIGAREでは、九州大学の学生団体Mobility Laboratory(モビラボ)と株式会社AMANE※の共同企画「Z世代モビリティ研究所」寄稿による連載をスタートします。
本企画は、Z世代のクルマに対する価値観を紐解き、私たちが生み出す私たちならではのカーライフを探っていく連載企画です。
記念すべき初回のテーマは、ズバリ…💓恋愛💓
各世代の特徴や価値観が最も色濃く現れるのがそう、恋愛。今では当たり前となった「オンラインでの出会い」という恋愛観もZ世代ならではの特徴です。そこで今回は、マッチングアプリを使っている男女5名ずつにインタビューを行い、ドライブデートやクルマに対する価値観に迫っていきます。
クルマという空間で繰り広げられる彼らの駆け引きを紐解いていくと、クルマをただの移動手段ではなく、「コミュニケーションの空間」として捉えるZ世代の姿が見えてきました。
(匿名性を守るため、名前と顔はイメージとしております)
それでは、インタビューの中で特に興味深かったトピックをご紹介していきます!
2人きりになる密室空間に不安を感じる人がいる一方で、「相手の人となりが分かれば大丈夫」という意見が多く見られました。
実際に聞いたのはこんな声。
ある女性からは、クルマだと面識のない相手から逃げられないという不安や恐怖感の声が上がりました。そして、男性側も女性のそういった不安は認識しているようです。
一方で女性から多かったのはこんな声。
相手の人となりをプロフィールやInstagramなどで測っている女性がほとんどでした。
文章や写真、SNSへの投稿から垣間見える相手の内面や友人関係などで、自分と波長(ノリ)が合うか、もっといえば「2人きりになれるか」を判断しているというのがマッチングアプリにおける彼ら彼女らのスタンダードのようです。
となると、Z世代の女性はどんな人なら、「2人きりになれる」と判断しているのでしょう。
次はその点を深掘りしてみました。
私たちは調査から、「見た目や持ち物が身の丈に合っていて、ある程度の常識人である」ということではないかなと考えました。
そして、「クルマ」は「普通かどうか」が顕著に現れるものの1つでした!
実際に、こんな声がありました。
「高級車やクルマにこだわりのある男性はモテる」は、Z世代には通用しないことが見て取れますね。
身の丈に合っていなかったり、自分と生きている世界が違うと感じたりすると、マッチするのを避けるということのようです。
ことマッチングアプリにおいては、「なんでその歳でそのクルマに乗れるの?」という背景の部分までは分からないですし、クルマにこだわっているのが見て取れれば「クルマ以外にもこだわりが強いんじゃないか…?」と自分と釣り合わない印象を持ってしまうのも頷けます。
何を普通とするかは人それぞれですが、逆に言えば「普通じゃない」という違和感を与えないクルマがマッチングアプリで好まれるのかもしれません。
じゃあ、普通車や軽自動車しかモテないってこと!?
いえ、そういうわけでもないようでして…。
ヒントになったのは、SUVに乗っている男性からの意見。
実際に彼は、女性から「クルマかっこいい」とか「乗ってみたい」と言われたことがあるようで。
これを聞いて私たちは「あれ、普通が良いっていう話と矛盾してない!?」となりました。
この点について研究所のメンバーで話し合った結果、以下の仮説が出てきました。
知人の男性の白ベンツに乗せてもらった際「なんか、すごかったな。乗れて良かったかも…!!」と思いました。
でもこれって、ベンツじゃなくてもSUVや物珍しいクルマ(たとえば車内がオシャレにライトアップされていたり、デザインが少し変わっていたりとか)でも同じこと思っていただろうなとも思いました。
つまり、車種や形に魅力を感じるのではなく、「未知のクルマに乗ってワクワクした」という体験に価値を感じているのだと思います。
2つ目については、あくまで会うためのハードルは「普通かどうか」ということです。
マッチングアプリ上では一見普通だけど、実際に会ってみてクルマに乗ったらちょっと物珍しかった。その時に遊び心とかギャップとか、そういう部分がプラス要素として働くのでしょう。
ここまでは見た目や印象などの価値観についてまとめました。
ここからは、彼らがクルマというツールをどう使っているのかをまとめていきます。
男女が仲良くなる上で求められるクルマの機能の一つというわけですね。
この意見は女性から挙がりました。
U.Nさんが具体例として挙げてくれたのは、スズキの「ラパン」でした。
確かに、運転席と助手席の間にコンソールがなく、まるで映画館と同じような距離感です。(肘掛けの分まで考えるとむしろ映画館よりも近いかも…!?)
高級車の方が座席同士の距離は広く、コンソールなどではっきりと座席が区分されていることを考えると、必然的に2人の距離感は遠くなるのでしょうね。
パーソナルスペースという概念がありますが、普通はお互いに仲良くなり心の距離が近づくにつれて、物理的な距離も縮まるものです。しかし、運転席と助手席が近いと、物理的な距離が先に縮まってしまいます。
つまり、元々の男女の親密度に関係なく最初から相手と近い距離にいることが、心の距離まで縮めている可能性がありそうです。
U.Nさんの意見は、距離が近い方が仲良くなれそう、よりドキドキする、という体験が重視されていることを象徴していると言えますね!
前編では男女のマッチングにおける、Z世代のクルマの見た目や広さに対する価値観を紹介しました。後編では、恋愛におけるZ世代のクルマの使い方をより深掘りしていきます!
後編もぜひ、ご覧ください!!
我々と一緒に、Z世代の価値観を覗いてみませんか??
まずは意見交換からでも大歓迎です。下記のメールアドレスにご連絡ください。
mobilitylaboratory@gmail.com
※LIGAREを運営する株式会社自動車新聞社の関連会社
「買う、借りる、シェアする」など、様々な使い方や付き合い方が出てきたクルマ。
そんな中で、Z世代はクルマにどんな価値観を持っていて、クルマに何を求めているのか? そんな「Z世代にとってクルマって何?」を様々な視点から探っていきます。イマドキのクルマ文化をZ世代自身が探っていく企画第1弾、はじまります。
Z世代モビリティ研究所へようこそ! 現役女子大生(21)のみさです。そんな中で、Z世代はクルマにどんな価値観を持っていて、クルマに何を求めているのか? そんな「Z世代にとってクルマって何?」を様々な視点から探っていきます。イマドキのクルマ文化をZ世代自身が探っていく企画第1弾、はじまります。
本企画は、Z世代のクルマに対する価値観を紐解き、私たちが生み出す私たちならではのカーライフを探っていく連載企画です。
記念すべき初回のテーマは、ズバリ…💓恋愛💓
各世代の特徴や価値観が最も色濃く現れるのがそう、恋愛。今では当たり前となった「オンラインでの出会い」という恋愛観もZ世代ならではの特徴です。そこで今回は、マッチングアプリを使っている男女5名ずつにインタビューを行い、ドライブデートやクルマに対する価値観に迫っていきます。
クルマという空間で繰り広げられる彼らの駆け引きを紐解いていくと、クルマをただの移動手段ではなく、「コミュニケーションの空間」として捉えるZ世代の姿が見えてきました。
(匿名性を守るため、名前と顔はイメージとしております)
それでは、インタビューの中で特に興味深かったトピックをご紹介していきます!
Z世代は初対面でいきなりドライブに行く?
まず私たちが気になったのは、「初対面の相手とのドライブデート」に対する価値観。2人きりになる密室空間に不安を感じる人がいる一方で、「相手の人となりが分かれば大丈夫」という意見が多く見られました。
実際に聞いたのはこんな声。
ある女性からは、クルマだと面識のない相手から逃げられないという不安や恐怖感の声が上がりました。そして、男性側も女性のそういった不安は認識しているようです。
一方で女性から多かったのはこんな声。
相手の人となりをプロフィールやInstagramなどで測っている女性がほとんどでした。
文章や写真、SNSへの投稿から垣間見える相手の内面や友人関係などで、自分と波長(ノリ)が合うか、もっといえば「2人きりになれるか」を判断しているというのがマッチングアプリにおける彼ら彼女らのスタンダードのようです。
となると、Z世代の女性はどんな人なら、「2人きりになれる」と判断しているのでしょう。
次はその点を深掘りしてみました。
2人きりになれる条件は「普通かどうか」
「普通って何?」ってなりますよね。私たちは調査から、「見た目や持ち物が身の丈に合っていて、ある程度の常識人である」ということではないかなと考えました。
そして、「クルマ」は「普通かどうか」が顕著に現れるものの1つでした!
実際に、こんな声がありました。
「高級車やクルマにこだわりのある男性はモテる」は、Z世代には通用しないことが見て取れますね。
身の丈に合っていなかったり、自分と生きている世界が違うと感じたりすると、マッチするのを避けるということのようです。
ことマッチングアプリにおいては、「なんでその歳でそのクルマに乗れるの?」という背景の部分までは分からないですし、クルマにこだわっているのが見て取れれば「クルマ以外にもこだわりが強いんじゃないか…?」と自分と釣り合わない印象を持ってしまうのも頷けます。
何を普通とするかは人それぞれですが、逆に言えば「普通じゃない」という違和感を与えないクルマがマッチングアプリで好まれるのかもしれません。
じゃあ、普通車や軽自動車しかモテないってこと!?
いえ、そういうわけでもないようでして…。
「好奇心」をくすぐるクルマは好印象
先ほどは「クルマが普通かどうか」が2人きりになれるポイントの1つだとお話しましたが、会ってから感じる「会う前とのギャップ」が女性の好奇心をくすぐるのではないかということも、インタビューから見えてきました。ヒントになったのは、SUVに乗っている男性からの意見。
実際に彼は、女性から「クルマかっこいい」とか「乗ってみたい」と言われたことがあるようで。
これを聞いて私たちは「あれ、普通が良いっていう話と矛盾してない!?」となりました。
この点について研究所のメンバーで話し合った結果、以下の仮説が出てきました。
– 物珍しさや経験したことのないクルマ体験が、女性の「好奇心」をくすぐるのでは?
– 会う前は「普通かどうか」で評価し、会った後に「ワクワク」すれば高評価になるのでは?
知人の男性の白ベンツに乗せてもらった際「なんか、すごかったな。乗れて良かったかも…!!」と思いました。
でもこれって、ベンツじゃなくてもSUVや物珍しいクルマ(たとえば車内がオシャレにライトアップされていたり、デザインが少し変わっていたりとか)でも同じこと思っていただろうなとも思いました。
つまり、車種や形に魅力を感じるのではなく、「未知のクルマに乗ってワクワクした」という体験に価値を感じているのだと思います。
2つ目については、あくまで会うためのハードルは「普通かどうか」ということです。
マッチングアプリ上では一見普通だけど、実際に会ってみてクルマに乗ったらちょっと物珍しかった。その時に遊び心とかギャップとか、そういう部分がプラス要素として働くのでしょう。
ここまでは見た目や印象などの価値観についてまとめました。
ここからは、彼らがクルマというツールをどう使っているのかをまとめていきます。
広いクルマは2人の距離感が縮まらない?
まずは、車内の広さや座席の距離感が2人の距離を左右するという洞察です。男女が仲良くなる上で求められるクルマの機能の一つというわけですね。
この意見は女性から挙がりました。
U.Nさんが具体例として挙げてくれたのは、スズキの「ラパン」でした。
確かに、運転席と助手席の間にコンソールがなく、まるで映画館と同じような距離感です。(肘掛けの分まで考えるとむしろ映画館よりも近いかも…!?)
高級車の方が座席同士の距離は広く、コンソールなどではっきりと座席が区分されていることを考えると、必然的に2人の距離感は遠くなるのでしょうね。
パーソナルスペースという概念がありますが、普通はお互いに仲良くなり心の距離が近づくにつれて、物理的な距離も縮まるものです。しかし、運転席と助手席が近いと、物理的な距離が先に縮まってしまいます。
つまり、元々の男女の親密度に関係なく最初から相手と近い距離にいることが、心の距離まで縮めている可能性がありそうです。
U.Nさんの意見は、距離が近い方が仲良くなれそう、よりドキドキする、という体験が重視されていることを象徴していると言えますね!
まとめ
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました。前編では男女のマッチングにおける、Z世代のクルマの見た目や広さに対する価値観を紹介しました。後編では、恋愛におけるZ世代のクルマの使い方をより深掘りしていきます!
後編もぜひ、ご覧ください!!
【モビリティ×Z世代の接点作りをご一緒しませんか?】
Z世代モビリティ研究所では、共同調査やZ世代を対象としたイベントの実施など、モビリティとZ世代を繋ぐご依頼をお待ちしています。これまで、自動車ディーラー様や損害保険会社様と共同で、大学生を対象に、クルマをより身近に使ってもらうためのイベントや広報活動を行ってきました。我々と一緒に、Z世代の価値観を覗いてみませんか??
まずは意見交換からでも大歓迎です。下記のメールアドレスにご連絡ください。
mobilitylaboratory@gmail.com