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ゼンリンら沖縄MaaS事業連携体、来年1月から県全域で観光型MaaS実証

2020/8/25(火)

ゼンリン1

「沖縄全域における観光型 MaaS 実証事業」のイメージ(ゼンリンプレスリリースより)

沖縄都市モノレール株式会社(以下、沖縄都市モノレール)、株式会社ゼンリン(以下、ゼンリン)、TIS株式会社(以下、TIS)と株式会社琉球銀行(以下、琉球銀行)の4社と沖縄県の7つの自治体で構成する沖縄MaaS事業連携体は、国土交通省の「令和2年度日本版MaaS推進・支援事業」※に選定された。

この選定に伴い、沖縄MaaS事業連携体は、モノレール、バス、船舶などの交通手段と、観光/商業施設や他のMaaSアプリ、シェアリングサービスなどの交通分野以外のさまざまなサービスとの連携実現を目指した「沖縄全域における観光型MaaS実証事業」を、沖縄県全域で2021年1月から実施すると発表した。
※経済産業省と国土交通省の令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」の対象52事業のうち、38が国土交通省の「令和2年度日本版MaaS推進・支援事業」。MaaSのモデル構築と全国への普及を図りつつ、地域や観光地の移動手段の確保・充実や公共交通機関の維持・活性化だけでなく、地域課題の解決に寄与することを目的に掲げている。
「沖縄全域における観光型MaaS実証事業」は、現時点で交通事業者18社、7つの自治体、交通事業者以外の事業者として10社が参画。多様な交通手段や観光・商業施設、サービスの利用の実現を目指す。

この実証事業では、沖縄全域のモノレール、バス、船舶等の乗車券や観光・商業施設の利用券やクーポン等を電子化し、スマートフォンによるシームレスな移動・観光を実現する。更に他のMaaSアプリ、シェアリングサービスなど、さまざまなサービスとの連携をAPI接続・オープンデータ化によって実現することも掲げる。関係各社が持つデータと今回の実証のデータを組み合わせて、観光・商業施設への送客誘客による観光客の周遊と分散の実現を目指す。

実証は2021年1月から2月の1カ月間に行う予定だが、一部サービスの先行実施や前倒しも検討中とのことだ。

■実証事業の背景

沖縄県は、地域住民の自家用車、旅行客のレンタカー利用が多く、全国と比較して公共交通分担率が低いため、那覇市中心部などの渋滞の深刻化が課題となっている。沖縄MaaS事業連携体は、原因の1つである観光に関する交通課題を観光型MaaSの導入によって課題解決を目指す。

例えば、バスの利用者が少なく、バス網の維持が困難という課題に対して、モノレールやシェアサイクル連携などによりバスの利便性を向上し、収益性を上げることを目指す。また、新型コロナの影響もあり新しい生活様式としてキャッシュレス決済が推奨されている中で、チケット利用時のやり取りの簡素化を実現することで事業者・利用者双方の接触機会を低減する感染症対策への貢献も見据える。

■実証の分担と参画事業者

この実証事業は以下の役割分担で観光型MaaSの実現を目指す。

沖縄都市モノレール:代表会社として実証全体の取り纏め
ゼンリン:MaaS の新サービス検証として移動コードのサービス提供
TIS:同社の決済ソリューション・PAYCIERGE の「MaaSプラットフォームサービス」を活用した MaaS基盤構築と本事業の企画立案
琉球銀行:キャッシュレス決済の実現、MaaS 加盟事業者開拓

その他、石垣市、浦添市、宮古島市、今帰仁村、伊江村、座間味村、竹富町が自治体として参画する。さらに沖縄総合事務局運輸部、沖縄県、那覇市がオブザーバー参加し、交通施策・観光施策との連携強化のための助言などを行う予定だ。

また、参画する交通事業者は以下の通り。
<交通事業者>
(本島) 沖縄都市モノレール・やんばる急行バス・カリー観光バス・沖東交通
(本島周辺離島) 伊江村営フェリー・伊江島観光バス・座間味村営フェリー/バス
(先島諸島) 東運輸・安栄観光・八重山観光フェリー・西表島交通・宮古協栄バス・中央交通 石垣島タクシー事業者5社(かびら観光交通等)

交通事業者以外では、現時点で10事業者と連携を目指し検討しているとのこと。別地域で展開する他MaaSアプリに対してAPIを開放し、今回提供を行う電子チケットについて他MaaSアプリ上での販売実施も目指している。

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