ANAとエアロネクストが提携 市街地用の物流ドローンを開発
2020/5/21(木)
ANAホールディングス株式会社(以下、ANA)と、株式会社エアロネクスト(以下、エアロネクスト)は、物流ドローンの開発で業務提携を開始すると発表した。
内閣府と経産省は、両者が取りまとめた「空の産業革命に向けたロードマップ2019」の中で、2022年度に「空の産業革命レベル4」を実現すると掲げている。具体的には、陸上輸送が困難な地域への生活物資や医薬品の配送、都市を含む地域における荷物配送を目指している。今回ANAとエアロネクストが開発を表明したのは、その目標達成に必要とされている有人地帯で補助者なしの運転が可能な物流ドローンだ。機体の共同開発は、ANAのエアラインとドローンオペレーターとしての機体運航に関する知見と、エアロネクストが持つ産業用ドローンの設計技術を融合して実施する。
両社の発表によると、従来の物流ドローンの機体は、空撮用途から発展を遂げてきたドローンの構造を踏襲し、機体の飛行部や搭載部が一体となった機体構造となっている。そのため飛行姿勢に伴い荷物も傾いてしまう課題があったという。
今回共同開発する新型ドローン「Next DELIVERY」では、飛行部と荷物搭載部分を分離した分離結合型の機体構造により、荷物を常に水平に保つことができるようになる。加えて、重心位置を考慮した機体構造設計により、高性能な物流ドローン機体を実現することが可能となるという。
両社は、2020年度内に共同開発した物流ドローンによる実証実験を開始し、2022年度の「空の産業革命 レベル4」解禁に向けて量産化を進める予定だ。開発した機体をベースに国内外のドローンメーカーとも連携し、将来的な輸送インフラの一部としての社会普及を目指す。