富士通、自治体向けオンデマンド交通サービス提供へ 地域交通の活性化支援
2019/4/16(火)
――オンデマンド交通サービスの特徴を教えてください。
金氏:他社でも乗合タクシーをはじめ、いろいろなサービスがありますが、当社が重点を置いているのは実車率を高めることです。都内など都市圏で行うサービスとは異なり、車両台数が少ない場所でいかに人をたくさん乗せて、効率を上げるかという観点で取り組んでいますので、そこが他社と違う点です。――アルゴリズムに特徴があるのでしょうか?
石川氏:実車率の向上と利用者の満足度向上が目的のアルゴリズムです。バッファを持っているので、遠回りしても到着時間が保証できます。会議の時間、病院の診察時間や、電車の乗り継ぎなど、予定している時間に合わせて移動ができ、それが満足度向上につながります。金氏:性別・年齢・住所などの利用者情報を予め登録し、サービスに利活用できるようにしています。また、地方の場合、タクシー事業者がいないエリアも多いため、自家用車と組み合わせて「ベストミックス」ができるのではないかという発想です。需要のピークに合わせてタクシー専用車両を確保するのではなく、ある程度台数を減らし、自家用車と連携して事業性を改善します。そのためにオンデマンド交通を活用したのが伊達市の事例です。
――既存のサービスと競合するのではなく、補い合うということですね。
江澤氏:交通機関そのものはすでに多様にあるので、それをシームレスにつなげること、移動したい人と移動先を的確につなげることができれば、と思います。移動したい人の数を増やす、移動を喚起するといったことで、モビリティ社会を活性化できないかというコンセプトで考えています。――過疎地などで導入・撤退を検討する際、官と民の調整役が必要になります。御社のサービスで実車率など具体的な数字を測り、示すことができる点は重要ですね。
石川氏:今回の取り組みは、そういった共存のあり方を検討する目的もあります。地域を支える交通というのは、その一つの手段です。既存の交通とミックスさせる方法を検討できるテーブルに乗ったと思います。新しい視点で検討材料を提供できたという点は意義があると考えています。猿川氏:自治体だけがサービスを永続的に担うのかというと、やはり違う選択肢を持っておく必要があります。地域の事業者に運営を引き渡していくことも検討しないといけないです。引き渡す先は、移動の目的地側に立つ事業者がふさわしいのではないかと思います。たとえば商業施設や病院などが挙げられます。利用者に来て欲しい事業者が、来て欲しい手段を提供する。そのほか、ボランティアや支え合いという視点で見ると、地域のNPO法人も考えられます。
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