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GTC Japan 2016 GPUが可能にする自律運転 ─ NVIDIA

2017/11/11(土)


NVIDIAの自動運転AIカー「BB8」

NVIDIAでは、「BB8」と呼ばれる小さなAIカーを開発しています。車内に内蔵されたカメラで撮った映像から、車がそれを模倣することで操縦を学習します。ドライバーはただ運転するだけで、それを見てこのBB8は操縦方法を学習します。

 

動画では、BB8が駐車場でのカラーコーンの間を運転するところから始まり、どんどん学習して、カラーコーンの間を走れるようになりました。さらにレーンがあってもなくても、ブラインドコーナーでも問題なく、私たちが行うように障害物をよける様子が公開されました。カリフォルニアで学習し、ニュージャージーで走ることもでき、工事用のカラーコーンを見てその間を走ることができるという適応力を見せました。学習が進むと、BB8は雨や夜にも対応することができていました。

 

次世代AIコンピューター SOC(System-onChip)



ジェンスン氏は、動画の終了後「すばらしい、これがAIです。BB8は自分で学習します。学習するのは、運転に必要な特徴量、つまり私たちが運転時に判断材料として用いている重要な特徴量をAIとディープラーニングによって抽出しているのです」と語ります。

中国の百度や、ニューヨークのTomTomは、自立走行車開発でNVIDIAとパートナーシップを結び、開発のプラットフォームとして採用することが決定しています。

 

AIの未来─次世代SoC、XAVIER

NVIDIAはビジュアルコンピューティング、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、人工知能(AI)の交点の部分、つまりインテリジェントマシンのためのAIコンピューティングに焦点を当てています。この部分に特化したものとして開発したのが「XAVIER(エグゼビア)」です。このXAVIERは、70億個のトランジスタを持っており、また、8コアのカスタム64ビットARMプロセッサと512個の次世代Volta GPU、新コンピュータビジョンアクセラレータ、2基の8K HDRビデオプロセッサを内蔵、ASIL Cレベルの機能安全設計といった機能を持つ製品となります。

 

NVIDIAが開発を進めているXAVIER



性能については、2つのParker+2つのPascalが1つのXAVIERに相当し、macbookに例えると約100個分にも相当する性能を実現しています。さらにこの小さなコンピュータXAVIERはなんと20Wです。

 

GTC Japan 2016で公開されたAIカー「BB8」のテスト走行映像。レーダーやセンサーなどから得られるデータにより外の環境を把握するのではなく、車載カメラによりドライバーの運転の仕方をディープラーニングにより学習することで、自動運転を行おうとするものである。



白線等のレーンのない、工事現場のカラーコーンの間を抜けるという難しい走行も可能としている。急カーブやブラインドコーナーでも問題なく走行が可能。


 

最後にジェンスン氏は「私たちは、このようなGPUディープラーニングのコンピューティングのアプローチがさまざまな産業に適応できると思っています。今後、社会においてAIは大きな役割を果たしていくと私たちは考えていて、この日本においても、自動車産業やヘルスケア産業、ロボティクス産業でAIによって大きな革命が起こり得ると考えています」と述べました。

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