Hacobu、2022年度首都圏向け青果物の物流効率化実証実験に参画
2022/9/6(火)
株式会社Hacobu(ハコブ 以下、Hacobu)は8月25日、トラック輸送における取引環境・労働時間改善秋田県協議会の、「首都圏向け青果物の物流効率化実証実験(2022年9月4日~10日)」に参画することを発表した。
物流業界では、トラックドライバーの人手不足という問題を抱えている。この問題の要因の一つは、ドライバーの労働環境だ。ドライバーの年間の労働時間は、全産業平均より約2割(450時間以上)長いとされている※1。※1(出典)厚生労働省「平成29年度賃金構造基本統計調査」
特に地方~首都圏の長距離輸送における長時間労働が問題となっている。その中でも、秋田県における首都圏向けの青果物輸送は、秋田県内の各JA集出荷拠点間の距離が長く、集荷に時間がかかり、また、納品先の首都圏卸売市場までの距離も600kmを超える。このため、ドライバーの1日の拘束時間が長時間に及んでいる。上記を背景に、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が年960時間に設定される。これによりドライバーの人手不足の加速が予想され、対策として業務の効率化、労働時間の短縮化が求められる。
公益社団法人 秋田県トラック協会は、こうした問題が続けば、近い将来、長距離輸送に係る物流網の維持が困難になり、首都圏向けの輸送への影響を危惧している。これらの問題を解決するために、2019年に「秋田の未来の物流を考える協議会(現:秋田未来物流協議会)」を立ち上げ、早くから問題解決に向けた議論を行ってきた。
Hacobuは、秋田県トラック協会の「首都圏市場向け青果物の物流効率化実証実験」に2021年9月に採択され、2021年11月に実証実験を実施している。このときの実証実験では、ドライバーの負担を軽減し秋田の農業を持続可能な状態にすることを目的に、青果物の首都圏輸送のハブ拠点(中継点)を設け、集荷輸送と幹線輸送の分離を行った。その結果、長距離トラックの労働時間は約25%、トラックの総活動時間は約22%減少、ドライバー一人当たりが創出する付加価値が約30%向上する成果を確認している。※2
※2(出典)秋田の未来の物流を考える協議会「令和3年度首都圏向け青果物輸送に係る実証実験 報告書」
2022年度の実証実験では、2021年度の実証実験の成果を踏まえて、対象領域を広げて実証実験を行う。具体的には、生産者からの集荷と着荷主である首都圏市場をスコープに含め、サプライチェーン全体の最適化を目指す。そして、青果物の首都圏輸送の集荷輸送と幹線輸送の分離によって、ドライバーの長時間労働の回避および車両運行の効率化を図る。さらに、生産者・他県・首都圏市場も新たに巻き込み、物流課題の解決に挑む。
また、Hacobuは、同実証実験において、実証実験コンサルタントとして参加する。アプリケーションを活用した車両の経路、位置情報、運行時間を把握し、最適なルートの構築、実績管理を行うことで、輸送の効率化をサポートする。くわえて、同実証実験には、トラックドライバーの労働環境改善や生産性向上に向けた検討のため、国土交通省がアドバイザリーボードとして参画するという。
(出典:Hacobu Webサイトより)