【特集】「平塚モデル」全国へ。自動運転バスL4事業化の軌跡を追う(後編)
法人プレミアム会員限定記事
2026/5/22(金)
平塚市で自動運転バスの実証実験が始まったのは、2023年度のこと。以降現在に至るまで、このプロジェクトでは「既存の路線をそのまま自動運転バスに置き換える」方針を一貫して掲げている。
2025年12月から翌年1月にかけて実施した第3期の実証運行では、平塚駅南口を起点にした約4.3キロの循環ルートを、日没後の時間帯を含め1日7便、20日間にわたって営業運行を実施。延べ1,289名が乗車した。
今回の特集では、神奈川中央交通(以下、神奈中)、平塚市、いすゞ自動車(以下、いすゞ)の3者から、過去数年間の蓄積と、2027年度の事業化に向けた道筋を聞いた。本記事は後編にあたる、いすゞのインタビューをお届けする。
いすゞがこの取り組みの中で見据えているのは、慢性的なドライバー不足の解決だ。ディーゼル車からスタートし、2025年度からはJapan Mobility Showに展示した車両と同仕様の「エルガEV」を投入した。
「日本の商用車メーカーとして、運転士不足の解決や市民の足の維持に取り組まなければ」という使命感も抱えつつ、自動運転の実装を急いでいる。事業化の現在地と今後の展望を聞いた。
取材/モビリティジャーナリスト 楠田悦子
文/LIGARE編集部 和田翔
2025年12月から翌年1月にかけて実施した第3期の実証運行では、平塚駅南口を起点にした約4.3キロの循環ルートを、日没後の時間帯を含め1日7便、20日間にわたって営業運行を実施。延べ1,289名が乗車した。
今回の特集では、神奈川中央交通(以下、神奈中)、平塚市、いすゞ自動車(以下、いすゞ)の3者から、過去数年間の蓄積と、2027年度の事業化に向けた道筋を聞いた。本記事は後編にあたる、いすゞのインタビューをお届けする。
いすゞがこの取り組みの中で見据えているのは、慢性的なドライバー不足の解決だ。ディーゼル車からスタートし、2025年度からはJapan Mobility Showに展示した車両と同仕様の「エルガEV」を投入した。
「日本の商用車メーカーとして、運転士不足の解決や市民の足の維持に取り組まなければ」という使命感も抱えつつ、自動運転の実装を急いでいる。事業化の現在地と今後の展望を聞いた。
取材/モビリティジャーナリスト 楠田悦子
文/LIGARE編集部 和田翔
2027年度の事業化に向けて欠かせないコストの圧縮
――2024年策定の中期経営計画で「2027年度以降、自動運転レベル4のトラック・バス事業の開始」を順次目指すと発表しました。その背景にある思いを教えてください。いすゞ:自動運転は、新たな技術を総動員する取り組みです。「0から1を生み出す」「1を10にする社会実装」「10を100にするスケール化」というステップで事業化までの道のりを俯瞰すると、いよいよ社会実装のフェーズに入ったと認識しています。そのタイミングに合わせ、事業化の目標も発表しました。
そのほかに大きいのが、「国内メーカーがやらなければ」という使命感です。大型の路線バスを実質的に手掛けるメーカーは国内に2社しかありません。長年、日本の公共交通を支えてきた国内メーカーがやらなければ、という思いが根底にあります。
――事業として成立させるために、どういう考え方で取り組んでいるのでしょうか?
いすゞ:前提として、私たちだけが利益をあげる構造では意味がありません。運行事業者の視点で採算が取れなければ、普及につながらないからです。現在の路線バス事業は、運賃収入で車両費・ランニングコスト・人件費をまかなう構造です。自動運転を導入した場合、車両と遠隔監視のコストは増えますが、ドライバー分の人件費は削減できる見込みですから、それらの差し引きで現在と同等かそれ以上の採算性を実現するのが目標です。
――コストを圧縮するために、特にポイントになる点を教えてください。
いすゞ:コスト圧縮のカギはセンサー構成の最適化、とくに LiDARへの依存度をどう設計するかです。LiDARは高価であり、単純に台数を増やす構成ではコストが上がります。そのため、カメラやレーダーとうまく組み合わせ、さらにAIとルールベースを適切に使い分けることで、必要な性能を確保しながらセンサー全体としての最適化を図っていきます。
また、こうした最適化を実現できる背景にあるのが、いすゞの3つの強みです。
まずベース車両となる「ADシャシ(自動運転対応シャシ)」は、アクセル・ブレーキ・ハンドルのバイワイヤ化や電源の冗長化により、安全性と信頼性を担保した車両基盤を提供します。
次に、頭脳となる「ADK(自動運転開発キット)」。商用車で培ってきた乗り心地や制動制御のノウハウを、アライアンスパートナーであるティアフォーの AD スタックと統合し、バス特有の挙動まで含めて一体的に開発しています。
そして「遠隔監視システム」。車両の状態把握と安全な運行管理を担い、実運用を見据えた安定稼働を支えます。
これらを車両・システム・運用まで一体で設計できることにより、性能・安全性・コストのバランスを最適化できる点が、いすゞの特徴です。
「平塚モデル」のロードマップ
――平塚市で行っている取り組みの全体像を教えてください。※このコンテンツは法人プレミアム会員様限定公開です。会員の場合はログインしてください。
無料会員および有効期限切れの場合は以下のページから法人プレミアム会員にお申し込みください。
年間スタンダード会員の方はこちらのお問い合わせから法人プレミアム会員にアップグレードしてください。
無料会員および有効期限切れの場合は以下のページから法人プレミアム会員にお申し込みください。
年間スタンダード会員の方はこちらのお問い合わせから法人プレミアム会員にアップグレードしてください。










