JR西日本、「落とし物クラウドfind」導入決定 2026年夏より鉄道・商業施設の横断検索を実現へ
2025/12/19(金)
西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は2025年12月16日、株式会社findが提供する「落とし物クラウドfind」を、2026年夏頃からJR西日本の駅や列車内に導入すると発表した。グループ会社が運営する商業施設と連携し、鉄道と商業施設をまたいだ「横断検索」を実現することで、顧客の利便性向上と駅係員の業務効率化を目指す。
JR西日本では、駅や列車内で年間約130万件もの忘れ物を預かっている。今回導入される「落とし物クラウドfind」は、こうした膨大な忘れ物情報をデジタル管理し、効率的な捜索を可能にするシステムだ。
主な特徴は3つある。1つ目は、AI画像検索と多言語対応のチャット機能「find chat」だ。利用者は忘れ物の画像を送信するだけでAIによる高精度な検索が可能となり、インバウンド客も多言語でスムーズに問い合わせができる。
2つ目は、導入企業間での「横断検索」機能である。例えば、大阪駅直結の「ルクア大阪」で買い物をした後、帰りの電車内で忘れ物に気づいた場合、これまでは個別に問い合わせる必要があったが、今後は一元的に捜索が可能となる。
3つ目は、駅係員の業務効率化だ。忘れ物の写真を撮影するだけでAIが特徴を自動登録するため、手入力の手間が大幅に削減され、迅速な情報登録とサービス品質の向上が期待できる。
JR西日本グループでは、「駅ビジョン」に基づき駅のイノベーションを進めている。グループ企業のJR西日本SC開発株式会社が運営する「ルクア大阪」「天王寺ミオ」では、鉄道に先行して2025年12月から同システムを導入済みだ。
また、JR西日本ステーションシティ株式会社が運営する「大阪ステーションシティ」でも導入の検討が進められている。
鉄道への導入完了後には、大阪駅や天王寺駅といった巨大ターミナルにおいて、鉄道と周辺商業施設が連携したシームレスな忘れ物対応が実現する見込みだ。








