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自動運転とインフラのあり方とは? ~国交省ITS推進室が進める自動運転~ [後編]

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2020/4/8(水)

専用レーンでレベル4の自動運転をするこあにカー

専用レーンでレベル4の自動運転をする「こあにカー」

少子高齢化や過疎化などを背景に、中山間地域などの過疎地においては公共交通が衰退。いわゆる移動難民の増加が進み、さらには物流業界ではドライバー不足なども起こっている。これらの課題を解決する手段として大きな期待が掛かっているのが、自動運転を活用した移動・物流サービスだ。国土交通省でも政府が定めた「自動運転社会の実現」目標を踏まえ、サービス実用化に向けたさまざまな取り組みを進めている。

また、自動運転技術が進展を重ねる一方で、課題となってきたのが道路をはじめとしたインフラのあり方だ。後述する隊列走行や中山間地域の移動サービスなどでも、運転を支援する機器設備や専用空間の整備の必要性が高まっている。こうした現状について、国土交通省道路局 道路交通管理課で、高度道路交通システム(ITS)推進室長を務める安部勝也氏(以下、安部氏)に話を伺った。また、いち早く自動運転サービス実装に踏み切った秋田県北秋田郡上小阿仁村の事例を取材した。これらをもとに、今後の自動運転とインフラのあり方について考えていきたい。
■前編はこちら

■道の駅「かみこあに」で自動運転サービスの本格実装

各地で道の駅を拠点とした自動運転サービス実証が進んでいる中、いち早く本格導入へと踏み切ったのが、秋田県北秋田郡上小阿仁村だ。同村は秋田県のほぼ中央に位置し、人口はおよそ2,000人、高齢化率は県内で最も高い水準にある。その他の中山間地域と同様に、上小阿仁村でも高齢化の進展と共に高齢者の生活の足や物流の確保が課題となっていた。

実証実験は前述の通り2017年に開始、翌年に二度目の実証を行った。特に二度目の実証では、専用区間の確保、貨客混載の導入、さらには高齢者の福祉イベントの送迎への活用など、サービス導入を意識した取り組みがなされた。

そして、2019年11月にはサービスの本格導入へと移行した。道の駅「かみこあに」を拠点とし、集落と利用頻度の高い施設(村役場、診療所、郵便局など)を結んだ全長約4kmのルートを運行する。午前と午後一回ずつの定期便のほかデマンド運行も行い、いずれの場合でも1回あたり200円の運賃で利用できる。

上小阿仁村の自動運転車両「こあにカー」

上小阿仁村の自動運転車両「こあにカー」



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