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森ビルが構想するモビリティと都市計画の新たな可能性とは?「オンデマンド型シャトルサービス(HillsVia)」の実証実験について(1/2)

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2019/4/15(月)

実験車両は7人乗りのメルセデス・ベンツVクラス

森ビル株式会社は米国・ニューヨーク市に拠点を置くVia社と連携し、2018年8月1日から六本木周辺地域で、最先端アルゴリズムによる「オンデマンド型シャトルサービス(HillsVia)」の実証実験を開始した。
Via社は2013年にサービスを開始し、業界最高峰の独自技術によって、ルートや運行時刻に捉われない新たな都市交通サービスを再構築するスタートアップ企業である。都市部に最適化した独自開発のアルゴリズムによって、同方面に向かう複数の乗客の効率的な移動を可能にした。また、公共交通機関やバス・タクシーの民間企業等にアルゴリズムを提供し、既存のインフラとViaシステムの統合による「オンデマンド型シャトルサービス」を実現しており、すでにニューヨーク、シカゴ、アムステルダム、ロンドン等の多数の国際都市でのサービス導入実績がある。今回の実験では、森ビル社員約1,300名を実証実験の対象者として通勤や業務時間内の利用データを取得し、サービスの有用性と発展性の検証を進めるという。実証実験開始から半年が経った今、進捗状況や手応え、今後の展望について森ビル株式会社 営業本部 オフィス事業部 営業推進部企画グループ イノベーティブビジネス担当 チームリーダーの塩出礼子氏に話を聞いた。

森ビル株式会社  塩出礼子氏


六本木エリアに「オンデマンド型シャトルサービス」は必要か

――現在実施中の実証実験の目的と意図を教えてください

塩出氏:実証実験の目的は「より豊かな都市生活実現に向けた都市交通の新たな可能性の模索」です。当社は、これまでも世界最先端の研究機関や大学、先進的な企業などと連携してさまざまな共同研究や実証実験を推進してきましたが、今回「都市とライフスタイルの未来」を模索し、国際都市・東京のさらなる磁力向上に繋げるために、実証実験の実施を決めました。東京や他の都市でもニューヨーク・ロンドンなどと同じく、すでに地下鉄やバス、タクシーなどの交通インフラが充実していますが、その中で、更にオンデマンド型のシェアサービスにどんな新たな可能性が秘められているのか、システムの有効性やバグの有無などの細かい部分を含めて、検証したいと考えています。あわせて、如何にすれば新たな交通手段の選択肢となり得るのか、どのような都市生活と繋がることが有効なのかなど、社員だからこその率直な声を集めていきたいと考えています。

――実験に参加しているパートナー企業の役割を教えてください

塩出氏:今回の実証実験は3社と連携しています。まずVia 社からはOS全般の提供を受けています。今回使用するモバイルアプリ「HillsVia」は実験用にカスタマイズしたものであり、ライダーアプリと呼んでいる乗客用アプリと、ドライバー用のアプリがあります。また、実験全体を統括するため、オペレーターがライダーとドライバーの状況を監視・コントロールしており、このバックオフィス用ツールの計3つをVia 社から提供していただいています。
メルセデス・ベンツ社(※)からは、車両提供としてVクラス7人乗りを4台ご提供していただきました。また、総合人材サービスのジャパン・リリーフ社から、6名のドライバーと安全管理責任者としてオペレーター2名を派遣していただいています。実験の初期段階ということで、すぐサポートできるように、今は森ビルの社内にオペレータールームを設置してオペレーターが常駐しています。
※ダイムラーグループは、商用車部門のメルセデスベンツバンズが5,000万ドルの出資をVia社に行うなど、欧州で共同事業を展開している。今回の実証実験においても、メルセデス・ベンツ日本株式会社が協力企業として参加している。

――Via社との連携は、どのような経緯で始まったのでしょうか?

塩出氏:森ビルは「都市を創り、都市を育む」というビジョンのもと、都市づくりを通じて日本経済のエンジンである首都・東京の集積力をさらに高め、磁力を高めていくことを目指しています。Via 社はモビリティという観点で社会をより良くしようというスタートアップ会社で、互いに目指すところに共通する点があったことから今回の実証実験が始まりました。着想自体は1年以上前からあり、準備期間を経て昨年の4~5月頃から本格的に動き始め、8月1日から開始しました。

最先端アルゴリズムの実力は?
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