新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を図りながら集客力向上を目指す「新たな日常」における観光として、屋外の観光資源とICTの融合による新たな観光体験への期待が高まっているという。その背景から、実証ではローカル5Gを活用し、MRによる新たな歴史文化体験とAI自然会話(以下、AIコンダクター)による新たな園内移動体験を提供する。

なお、実証は総務省から受託した令和2年度「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」のうち「観光・文化分野におけるローカル5G等の技術的条件等に関する調査検討(MR技術を活用した新たな観光体験の実現)」として実施する。

【実証実験の概要】

1. 新たな歴史文化体験(ローカル5GとMR技術を活用した新感覚エンターテインメント) 平城宮跡歴史公園内の屋外の「復原遣唐使船」を舞台に、ダンサーのパフォーマンスとMRグラスに表示させたCG演出効果を重ね合わせる。複数の参加者のMRグラスからの情報収集や映像コンテンツの配信に低遅延のローカル5Gを活用することで、参加者の位置や移動に合わせた映像表示や、ジェスチャーに合わせた演出映像を参加者全員で共有することなどが可能だ。


2. 新たな移動体験(ローカル5GとAIコンダクターを活用した安全・安心なおもてなし体験) 平城宮跡歴史公園の交通ターミナルを約5分間で周回する自動運転低速EVカート車内にAIコンダクターを搭載する。手を車両から外に出したり、マスクを外して乗車した場合、車内映像をもとにAIコンダクターが注意アナウンスを行う。また、参加者と対話し、参加者の関心に合った解説や案内もする。車内の映像や音声は、ローカル5Gで伝送するため、自然なアナウンスや対話を行うことができる。