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独PTVグループCEOインタビュー 都市運用システムでMaaSを加速させる

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2019/1/25(金)

Planung Transport Verkehr AG (PTV) President, CEOのVincent Kobesen氏

PTV Group(以下、PTV)は交通・輸送・物流などのソフトウェアソリューションを専門とするドイツの企業だ。「都市運用システムに対して、私たちの統合されたベストコンポーネントを提供する」ことをミッションに掲げる。都市のモデリングや精密なシミュレーションを可能にするソフトウェアは、近年MaaS分野への応用が注目されている。11月7日、PTVと、日本法人である株式会社PTVグループジャパンは、日本市場でのさらなる展開を目指し、OEM、交通事業者などを対象にMaaS事業分野のプレゼンテーションを実施した。PTVが提供するMaaSソフトウェアの詳細に迫りたい。
本記事の資料は全てPTV Groupおよび株式会社PTVグループジャパンより提供

都市運用システムを構築するPTV

PTVはドイツ・カールスルーエを本拠とし、「世界中で人や物を動かすものすべての計画・最適化」し、これらを統合させたソフトウェアを提供している。欧州の主要各国はもちろん、アジアでも存在感を放っており、東京(渋谷)・上海・シンガポール・シドニーにもオフィスを構えている。そのほか、北米や中東にもオフィスを置き、全世界で21の営業拠点を展開している。
PTVのCEOであるVincent Kobesen氏(以下、Kobesen氏)はプレゼンで、「私たちは都市運用システムを構築している会社。また、都市運用システムにとってモビリティは重要な要素だが、それ以外にもエネルギーや排気ガスなどの要素も組み込んで最適化をしていく必要がある」と語り、PTVのアルゴリズムは交通・輸送の最適化だけでなく、幅広い要素の最適化へとつながることを示唆した。
一方で、「都市運用システムを構築していくためには、さまざまなパートナーが必要」とも述べた。PTVは都市運用システムを単独で構築できるものとは考えておらず、自治体や交通、輸送、IoTなど他分野との協力によって、ビジネスモデルを構築しスマートシティの実現へつなげていこうと考えている。そして正に今、日本市場においてこれらの分野のパートナーを強く求めているという。

PTVのソフトウェアがサイクルを連携させる

Kobesen氏は、「以前は、渋滞が多発する都市でも人やモビリティの移動に主眼が置かれ、物流などにはあまり関心が無かった。しかし、今では人の移動だけでなく、モノの移動にも関心が寄せられるようになった」と、ここ最近の潮流について触れた。その流れの変化によって、複数の要素を統合し最適化していくソリューションへのニーズがより高まっている状況にあり、「PTVは交通・物流分野などのさまざまなソフトウェア製品を開発しており、これらの要素を全て統合し、最適化していこうと40年間取り組んできた」と自信を覗かせた。
では、都市運用システムを構築する上で、PTVが実現できることとは何だろうか。Kobesen氏は、「都市・運営者・個人・挙動」4つの要素と、「モデル・計画・トリップ・データ」の4つのプロセスの循環モデルについて説明した。

「都市・運営者・個人・挙動」と「モデル・計画・トリップ・データ」のプロセスの循環モデル



まず都市のモデリング(例:都市ごとのインフラモデル構築)を作成する。次に運営者(ここでは自治体や交通・物流事業者などを指す)が、そのモデルを使って、交通・物流などを最適化するための計画を立てる。そして、その計画に基づいた到着時刻などの情報を個人へ発信すると個人のトリップへと影響し、最終的に交通誘導など個人の挙動の最適化へとつながるというサイクルだ。また、個人の挙動はデータとして収集され、そのデータは都市のモデリングへと活用される。そうして、この一連のサイクルが循環していく構図だ。
また、Kobesen氏は「MaaSオペレーターは、このサイクルを逆回りで行っている」と言及した。例えば、都市で何か重大な事故が起こった場合、人やクルマの挙動に影響が出てくる。そうした挙動の調整が行われると、今度は個人のトリップに影響が出て到着時刻が変化する。そしてそれが、都市のモデリングへと反映されて循環していく構図になる。こうした要素における、計画・シミュレーション・最適化などを行うのがPTVのソフトウェアだ。

モデリングからリアルタイム管理まで、PTV MaaSアクセラレーター

都市運用システムを考えたときに、前述の複雑な要素を統合し最適化することが重要な課題となる。そして、それがPTVの強みであるという。PTV MaaS アクセラレータープログラムモジュールと名付けられた4つのソフトウェア開発は、それを象徴するものと言える。

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