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クルマをつなぐ デジタルビジネス・プラットフォーム SAP「Vehicle Insights」(2/2)

2016/5/31(火)


─クルマ関連企業では注目が集まっていると思いますが、異業種でクルマと関わりたいと思っている人との接点をつくっていくことは考えていますか。

もちろん考えています。HCPを使ったサービスは、IoTビジネス全般のビジネススキームだと思っています。まずは、いろいろなthingsにデバイスをつけて情報を取れるようになり、その位置や挙動がわかるようになります。その情報を、持ち主だけが利用するのではなく、他の人にも伝わって新たなサービスとなることを期待しています。その先がけがたまたまクルマだっただけであり、他の分野でも活用できると考えています。

ただし、サービスをつくっていくことはSAPだけではできません。IoTビジネスのフレームワークとしてN対Nのマーケットプレイスをつくり、収集したデータを他のビジネスパートナーに提供するという形になります。このような考え方を提示できているのは、他にはあまりないと思います。

Vehicles Networkの北米・欧州でのパートナー企業


─実際にどこかの業界とパイロット事業を始められていないのですか。

電力会社とそのような話はしています。これまでは、家の中で月あたりどれだけ電気を使ったかしかわからなかったものを、もっと細かい単位で分析できるようになります。例えば、電気をよく使用する時間帯がわかれば、この時間帯に生活している人にはこういう製品が受け入れられるというような、組み合わせて付加価値が高まるデータの活用ができると思います。

実際にやっていることではないですが、他にもスポーツ選手にセンサーをつけて身体の動きのデータを取り、それをチームが勝つためだけにつかうのではなく、ファンに向けていろいろなデータを公開するなどサービスに活用することも考えられます。将来的には、このように蓄積したデータだけでなく、それを加工して付加価値をつけてサービスにしていくことが重要になっていきます。

 

─テレマティクス保険にも活用できそうですね。

保険を行うための車両データを集めて、判断に必要な分析を保険会社ではなくVehicle Insights側で行うことはできます。急ブレーキがなかったか、安全運転か、毎日乗っているのか週末だけなのか、近所しか走っていないのかなど、詳細な分析をして、結果を保険会社に渡すことが可能になります。ただし、それを保険料に反映させるなどの保険システムを考えるのは保険会社になります。また、テレマティクス保険を行う際、OBD2の設置がハードルになっています。スマホなど簡単に設置できるデバイスからデータを取ることができれば、もっと普及すると思います。

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