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「上士幌MaaSプロジェクト」2年目の挑戦、高齢者にもやさしいUIで社会実装に手応え

2021/2/25(木)

写真TOP_タブレット操作

専用タブレットを操作して福祉バスの予約する様子(提供:上士幌町役場)

「生涯活躍のまち」をスローガンに2018年からMaaSプロジェクトに取り組んでいる北海道上士幌町。2019年度からはスマートモビリティチャレンジ採択事業として、移動サービスの利便性の向上や観光客などに向けた移動手段の充実などを目指して取り組んでいる。

2020年度の実証実験を12月に終え、実験の手応えや今後の展望について、MaaSを推進する上士幌町役場 企画財政課 ICT推進室の梶達(かじとおる)氏と外山愛美氏に話を聞いた。
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上士幌町役場 企画財政課 ICT推進室の梶達氏(左)と外山愛美氏(右)

上士幌町役場 企画財政課 ICT推進室の梶達氏(左)と外山愛美氏(右)
(提供:上士幌町役場)



過疎化の農村地域と人口増の市街地、町内で異なる交通課題が混在

北海道十勝地方の北部、大雪山国立公園の東山麓に位置し、町内の約76%が森林地帯と、自然豊かな上士幌町。人口約5,000人で、町の面積は約700平方キロメートルと東京23区を合わせたよりも広い。町内には65歳以上の住民が無料で乗車できる福祉バスが運行しているが、多くの住民は移動に自家用車を使用し、車に依存した生活様式が長く続いている。

「免許返納後の高齢者の足を確保・維持していくために、町ではこれまでも約1億円の予算をかけて丁寧に交通問題の解決に取り組んできました。しかし、この状態をいつまでも続けられるわけではなく、効率化を考えなければなりませんでした。」(梶氏)

一方、町では数年前から移住者や企業の呼び込みを目指し、子育て政策に重点をおいた施策を推進してきた。その結果、過疎化が進む農村地域とは対照的に、市街地への移住者が増加し、2018年には人口が減少から増加に転じ、現在も微増が続いている。転入者の8割以上が20~40代の若い世代のため住民の平均年齢も下がり、高齢化率も35%前後で留まっているという。

さらに地方創生の取り組みとして2020年8月に町営のシェアオフィスを開設したところ、テレワークや仕事のための短期間滞在者が増え、いわゆる関係人口も増えている状況だ。

地方の町において転入者や関係人口の増加は明るい話題である反面、それによる新しい課題も生まれている。主に市街地に住む首都圏からの移住者や短期滞在者の大半が運転免許を持っていない、または持っていてもペーパードライバーだという。また、雪道の運転に慣れていないこともあり、公共交通を使いたいというニーズが増えているのだ。

「上士幌町は全世代の住民がいつまでも元気に町づくりに参画する『生涯活躍のまち』を目指しています。町として大事にしているのは、誰も置き去りにしないことです。高齢者から子供まで全世代の移動の利便性を高めて、最終的には免許持っていない方々も不自由なく暮らせる町というのが理想型だと思っています。」(梶氏)

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