MaaS誕生の地 フィンランド取材(2/2):ITSフィンランド代表インタビュー
有料会員限定記事
2018/10/12(金)
ITS Japanが日本にあるように、ITS Finlandがフィンランドにもある。ITS FinlandがMaaSの官民連携の議論を行うプラットフォームを担っているようだ。
(※本インタビューは2018年3月に取材)
■第一回はこちら
インタビュー(2):ITS Finland 代表 Karri Salminen氏
――フィンランドの社会課題は?
Salminen氏:フィンランドも日本と同様に、高齢化社会の問題に頭を抱えています。医療システムのあり方について議論をし、規制や法律の見直しをしているところです。そのためデジタル化社会を進める必要があります。ヘルスケア、製造、交通、すべてのセクターで、デジタルイノベーションを活用する必要があります。例えば高齢者の介護を病院でするのではなく、できる限り自宅でも病院でしているような介護ができるように、新しいデジタルテクノロジーを活用したイノベーションを検討しています。デジタルテクノロジーを導入することだけではなく、人々が慣れることも大切です。新しいテクノロジーのサービスを使いたいと気持ちよく思ってもらうこと。新しいテクノロジーのデバイスを使いこなしたいと思う〝モチベーション”作りが最も大切だと思っています。使いこなせるスキルを身に付けるために、全世代に推進をしています。子供は学校教育、高齢者には勉強するコースなどです。スマートフォン、PC、loTなど全てについて。インターネット網も強化しておりどこでも使えます。――国連がフィンランドは最も幸福度の高い国だと発表しました。
Salminen氏:フィンランドは安定感のある国を作ろうとしているのだと思います。高齢者であろうと、障害者であろうと、女性であろうと、裕福であろうと、貧困であろうと、誰もが置き去りにされない。この違いのバランスをうまく取ろうとしているのです。そのため高い税金を徴収しています。できるだけ住み慣れた自分の家で住めるように、ヘルスケアのレベルも高いです。――ITS Finlandとは何ですか?
Salminen氏:非営利の組織で交通のデジタル化のプラットフォームを担っています。メンバーは異なる組織からなり、Data Finland、Ministry of Finland、Transportation agency、Security Agency、ヘルシンキ市、4つの大学、タクシー協会など。民間企業は80社。メンバーの総数は100以上になります。デジタル化を推進する上で問題となる規制などの障壁を取り払う活動をしているほか、国や国際的なプログラムの計画を立てています。――MaaSが生まれた社会背景をどのように分析されていますか?
※このコンテンツはLIGAREオンライン法人プレミアム会員限定公開です。会員の場合はログインしてください。
無料会員および有効期限切れの場合は以下のページから法人プレミアム会員にお申し込みください。
無料会員および有効期限切れの場合は以下のページから法人プレミアム会員にお申し込みください。