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世代を越えて支えあう、自立した集落を目指して ~知り合い同士の乗り合いサービス~ 「あいあい自動車」

2016/7/31(日)

リクルートMedia Technology Lab.あいあい自動車開発責任者 金澤一行氏

株式会社リクルートホールディングス(以下、リクルート)の新規事業立案制度「Recruit Ventures」からサービス化された「あいあい自動車」。過疎化が進むまちでは、公共交通の廃線や住民の高齢化により、多くの人が移動の問題を抱えています。「あいあい自動車」は、住民同士で助け合い、支え合うことで「移動」の問題を解決させ、地域住民の絆をつくりながら持続可能なまちづくりを目指す画期的な事業です。
[LIGARE vol.28 (2016.7.31発行) より記事を再構成]

「あいあい自動車」のシステム

「あいあい自動車」を利用する住民団体・自治体はクルマと通信機能付きタブレットをリクルートより導入します。運転ができない高齢者は費用を分担してクルマを共同でレンタルし、運転が可能な人に送迎をお願いします。運転者は高齢者の送迎を担う代わりにクルマを自由に使うことができます。維持費は高齢者を送迎する際の運賃で賄われます。利用者の送迎依頼や運転手の自己利用時にはタブレットで車両の予約を行います。「運転できずに移動に困っている高齢者」と「車の維持費に困っている運転者」のニーズをマッチングさせながら、地域の絆を深め、持続可能な地域包括ケアのシステムを作り出すことを目的としています。

カーシェアリングやライドシェアとは異なり、同じ地域に住む知り合い同士の乗り合い「あいあい自動車」について、リクルートMedia Technology Lab.あいあい自動車開発責任者・金澤一行氏にお話を伺いました。

社会の「不」を解決する

――「あいあい自動車」設立のきっかけについて教えてください。

弊社には新規事業開発の仕組み「Recruit Ventures」があります。会社のトップが決めたものではなく、社員が自由に起案をして、会社から承認を受けると、事業ができる仕組みです。「あいあい自動車」も「Recruit Ventures」で審査を通過し、新規事業開発組織のMTL(メディアテクノロジーラボ)によって事業化されました。

私は以前シンクタンクの研究員をしており、社会保障政策と経済政策や地方自治体に関わる仕事をしていました。社会保障の領域は、財政的な持続可能性が最大の課題であり、民間企業が参入して収益を上げることは、サービスの持続可能性を高めるという点でも意義があると考えています。リクルートの事業開発は社会の不満・不完全・不便・不平等などの「不」を解決するという着想を持っています。高齢化に付随して発生するさまざまな問題は、大きな社会の「不」であり、これを解決することは、社会的に意義があると同時に、大きな需要を持った新しいマーケットをつくることであるともいえます。

今、社会保障や公共の領域は課題が山積していますが、ソリューションが追いついていません。IT、シェアリング、フリーミアム等を取り入れてコストダウンすることで、問題を抱えている人にも手頃な価格で使っていただきたいと考えています。

「あいあい自動車のメリット」のイメージ



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