令和2年度版ひたち圏域MaaSが始動。みちのりHDら、地域共通MaaS基盤を構築
2020/12/9(水)
ひたち圏域新モビリティサービス推進協議会は、株式会社みちのりホールディングス、茨城交通株式会社らと11月末からMaaS事業を開始した。これまでよりも広域のひたち圏域(高萩市、日立市、東海村、ひたちなか市)で実証実験を順次行う。「地域のMaaS基盤構築」と「モビリティサービスの進化」をテーマに据え、今年で3年目の取り組みとなる。
この事業は令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」の実証地域、および国土交通省総合政策局モビリティサービス推進課が実施する令和2年度日本版MaaS推進・支援事業の両事業に選定された。2018年からプロジェクトを段階的に実施しており、地域版MaaSのモデルケースを構築することを目指している。【実証実験の概要】
■ひたち圏域MaaSのモデルアプリ
ひたち圏域MaaSではさまざまなアプリやWEBから利用できる環境作りを目指しており、主要サービスや機能を体験できるモデルアプリを提供している。ナビタイムジャパンが開発・提供する「Hitachi MaaS」アプリでは、デマンドサービスを含む複数の移動手段に対応した経路検索や乗車券購入が可能で、移動をシームレスに体験できる。「Hitachi MaaS」アプリ内では、経路検索、地図検索に加えて、都度乗車券(高速バス含む)、周遊券、企画乗車券(セット券)の購入や電子チケット、クーポン等の発券(実装予定)が利用可能だ。
今年度は、ひたち圏域MaaSを多様な主体が提供するアプリやWEBからチケット発券出来るように、TIS株式会社の協力の下で地域の共通チケット発券基盤を構築した。この基盤によって、発券主体が異なってもチケットデザイン等に差異が無く、地域の交通事業者側の負荷を増やすことなく、販売チャネルを増やすことができるという。
■AIデマンドサービス(Myride)
新らたなモビリティサービスとしてAIデマンドサービス(Myride)を実施する。Myrideはバスの運行本数が少ないエリアで小型車両に乗り合って移動し、地域の利便性を高めるサービス。アプリから行先までの手段の検索、予約、購入ができ、AIが乗り合いに最適なパターンを自動で計算する。また、走行ルートの指示や利用者とのやり取りは、運転手の端末に指示され、スムーズな運行が実現できる。このAIデマンドサービスにはVia Mobility Japan社が提供する技術が活用されている。▼関連記事▼
■自動運転バスの走行実証
ひたちBRTのおさかなセンター~常陸多賀駅間の主要バス停を快速運行する便を、通常ダイアに加えて平日8便、土日祝日6便設定し、中型バスで運行する。自動運転バスは全席予約制(当日に空席がある場合、乗車は可能)で、ナビタイムジャパン提供の「Hitachi MaaS」アプリからのみ予約が可能だ。▼関連記事▼
■MaaS基盤を活用した収益モデルの検討
さらに、ひたち圏域MaaSでは、多様なアプリやWEBサービスでもひたち圏域MaaSを利用できる環境を提供するため、地域の交通事業者が主体的に検索データやチケット発券のためのデータを提供する「地域共通MaaS基盤」を構築する。基盤上のデータやAPIを事業者が連携することで、住民や観光客が目的や利用シーンに応じて、多様なアプリやWEBからひたち圏域MaaSを利用できるようになる。▼関連記事▼