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世代を越えて支えあう、自立した集落を目指して ~知り合い同士の乗り合いサービス~ 「あいあい自動車」

2016/7/31(日)

2月1日からは三重県菰野町で実証実験を開始

――三重県での実証実験について教えてください。

主なサービスは「車のレンタル」「送迎」「マッチング」「高齢者の費用」「運転者の費用」「タクシー相乗り」です。

現在、道路運送法78条に規定される自家用有償旅客運送の制度のうち、「公共交通空白地有償運送」という制度を利用しています。

実証実験地域の選定は自治体等の公共団体と提携しながら進めることが多いのですが、この領域は福祉と交通にまたがるため、現場からのボトムアップでは意思決定が難しいです。高齢者の移動問題を真剣に考えており、協力をしていただける首長様を探していたところ、ご縁があり、菰野町町長とお話できることになり、導入に至りました。

――実際の運営について教えてください。

高齢者にタブレットを配り、日時、場所、目的地を入力してもらいます。同じタブレットを持つ運転者と高齢者に情報が行き渡ります。運転者は高齢者が希望する日のうち、運転可能な日を選びます。タブレットだけで予約を完結させるのは難しいので、運転者から高齢者に電話をかけることで予約が完了します。

運転手は業者ではなく一般の方なので、確実なスケジュールは保障できません。確実性と即時性を求められる方にはタクシーを使ってもらいます。行先情報を共有し、3~4人で乗って代金を分割することで、料金が高くて利用できなかった人でもタクシーを使うことが可能になりました。

――運転者のインセンティブはありますか?

ランニングコストを超えるような収入を高齢者にお支払いいただいている場合は、運転手にバックするか地域のお金として使うか、地域で話し合って決めていただきます。

――実際の利用者の声はどうですか?

利用人数は運転手約10人、利用者約30人です。

利用者からは「久しぶりの子供の帰省時に、好物を作っておきたかったので、スーパーに行けて嬉しい」、「普段は生協で生活しています。生協でもお花は買えるけれど、主人の命日だから自分で選びたかった」、「数年ぶりの同窓会の前に美容院に行けた」など、さまざまなお声を頂いております。今はデリバリーに置き換えようという動きばかりですが、買い物は“行って、見る”ことに価値があるので、通販などのデリバリーと実際の買い物、両方のバランスが必要だと考えます。

また、利用者の家族には「あなたのお父さんお母さんがサービスを使い始めたので、何かあれば電話などで連絡してあげてください」と手紙を送るなどし、サポートをお願いしています。

運転者は月に1度、自主的に運転者会議を開催して改善点を議論しています。配布したタブレットにLINEをインストールして情報連携ができるように工夫するなど、高いモチベーションで関わってくださっております。

――自治体が実証実験を行うと聞いていますが、他の自治体の反応・反響は?

いくつかの自治体から引き合いをいただいております。

本サービスでのスキームイメージ
通常の市町村有償運送の仕組みを基本とし、車両とマッチングシステムを提供する


タブレットの画面イメージ


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