日本版MaaS始動!WILLER、近鉄、ANAなど新たなプレーヤーも登場 スマートモビリティチャレンジシンポジウム開催
2019/6/27(木)
選定された19の事業には、静岡市での静岡鉄道と未来シェアや瀬戸内エリアの日新タクシーとscheme verge、ANAなど、従来の交通事業者だけではない、新たな顔ぶれが集まった。
経済産業省と国土交通省は2019年6月21日、「スマートモビリティチャレンジ シンポジウム」を東京ミッドタウン日比谷で開催した。「スマートモビリティチャレンジ」とは、新しいモビリティサービスの社会実装に挑戦し、地方の移動課題および地域活性化に挑戦する地域や企業に対して国土交通省と経済産業省が支援を行うという取り組み。「スマートモビリティチャレンジ推進協議会」を立ち上げ、地域毎にシンポジウムを開催するなど、地域や企業等の取組に関する情報共有を促進し、ネットワーキングを進めていく。6月18日には経産省が、先駆的に新しいモビリティサービスの社会実装に取り組み、事業計画策定や効果分析等(パイロット地域分析事業)を行う「地域」を24地域の提案から13地域を選定した。また国交省も同日、MaaS等新たなモビリティサービスの推進を支援する「新モビリティサービス推進事業」について「先行モデル事業」19事業を選定。「スマートモビリティチャレンジ」支援対象として、28地域が選定された。
このうち、国交省による「先行モデル」19事業は、「大都市近郊型・地方都市型」として三重県志摩地域(志摩市、近鉄グループ、名古屋大学)や静岡県静岡市(静岡市、静岡鉄道、未来シェア)など6事業、「地方郊外・過疎地型」として島根県太田市(太田市、石見交通、バイタルリード)など5事業、「観光地型」として瀬戸内エリア(高松市、日新タクシー、scheme verge、ANA)や阿寒・知床(阿寒地域自治体、JR北海道、WILLER)など8事業。
キックオフイベントとなった今回のシンポジウムでは、国交省から「先行モデル事業」(19事業)に選出された中の5つの自治体と、現在、積極的にMaaS(モビリティ・アズ・アサービス)に取り組む4事業者が登壇し、各地での取り組み事例などを講演した。
開会の挨拶では、石井啓一国土交通大臣が「我が国が抱える様々な交通課題の解決にMaaSの役割に期待している。新たなモビリティサービスの推進には官民の知恵やノウハウを結集し、個々の企業や業種や地域を超えた連携を深めることが重要」とし、連携の重要性を語った。
シンポジウムには、5自治体から群馬県前橋市の大野誠司情報政策担当部長、静岡県静岡市の美濃部雄人副市長、福井県永平寺町の河合永充町長、滋賀県大津市の越直美市長、島根県大田市の森山昌幸(バイタルリード代表取締役)。事業者からはWILLERの中野 正治執行役員、NTTドコモの谷直樹執行役員・法人ビジネス本部IoTビジネス部長、小田急電鉄の久富雅史経営戦略部長、MONET Technologiesの宮川潤一代表取締役兼CEOが登壇した。
講演する滋賀県大津市の越直美市長
今後、同協議会は、全国各地のMaaS等新たなモビリティサービスの実証実験を支援し、地域の交通サービスの課題解決に向けたモデル構築を行っていく。